木村達成&酒井大成「狂人だらけの家族を見たらヒリヒリするはず!」舞台『狂人なおもて往生をとぐ ー昔、僕達は愛した』インタビュー
「お客さんに“見られている瞬間”にエクスタシーを感じるのが役者なので、そんな狂人たちの姿をぜひ見に来てください」
間もなく公演が始まる、舞台『狂人なおもて往生をとぐ ー昔、僕達は愛した(以下、狂人なおもて往生をとぐ)』。1969年に劇作家・清水邦夫さんが俳優座公演のために書き下ろしたのが本作。その挑戦的な作品を、50年以上の時を経た今、注目の若手演出家・稲葉賀恵さんの演出で上演。

娼家の女主人のヒモで、逃れたくてもその優しさから逃れられずにいる主人公・出(いずる)を演じる木村達成さんと、次男の敬二(けいじ)を演じる酒井大成さんに、娼家に集まる登場人物たちが始める“家族ごっこ”の見どころをお聞きしました。
インタビュー後半では、好きな食べ物・苦手な食べ物から、人のどんな仕草にグッとくる? 自分が「狂人」になってしまう瞬間など、おふたりに迫る一問一答を未掲載カットとともに有料限定(300円)で掲載しています!


舞台概要
舞台『狂人なおもて往生をとぐ ー昔、僕達は愛した』
作:清水邦夫
演出:稲葉賀恵
出演:木村達成、岡本玲、酒井大成、橘花梨、伊勢志摩、堀部圭亮
公演日程:2025年10月11日(土)~18日(土)
会場:東京・IMM THEATER
公式サイト:https://www.kyoujin2025.com
公式X:https://x.com/kyoujin2025
あらすじ:
ピンクの照明が妖しげに光る娼家。大学教授と名乗る初老の男「善一郎」はここの女主人「はな」の客である。
そして青年「出」は女主人のヒモで、ここから逃げようとしているが、彼女の優しさから逃れられない。
この娼家には若い娼婦「愛子」もいて、彼女の客である若い男「敬二」もやって来る。
やがて彼ら5人はまるでここが一つの家族であるかのようなゲームを始める。初老の男が父親、女主人が母親、ヒモの青年が長男、若い娼婦が長女、その若い客の男が次男。ところがその家族ゲームとは……。
(C)「狂人なおもて往生をとぐ」製作委員会
★numan公式Xにてサイン入りチェキ プレゼントキャンペーンを実施!

・応募いただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。
・当選者の発表は、当選者様へのご連絡をもって代えさせていただきます。
・当選者の方にはnuman公式XからDMをお送りいたします。
※キャンペーン応募に関する注意事項は、Hereをご確認ください
初のストレートプレイ作品にワクワク!
――舞台『狂人なおもて往生をとぐ ー昔、僕達は愛した』へのご出演が決まっていかがでしたか?
木村達成(以下、木村):
どうだった?
酒井大成(以下、酒井):
今までは舞台やストレートプレイの経験がほぼなかったので、楽しみでずっとワクワクしていました。
木村:
本当に? プレッシャーとかはない?
酒井:
もちろんプレッシャーもあります!
かなりメッセージ性のある作品ですが、僕はまだキャリアも浅いので、稽古を通じて自分がどう変わっていくかというのもあるし、俳優としての自分との向き合い方も変わっていく気がしています。
木村:
そんな酒井くんの、いい見本になれるようにしたいです(笑)。

――清水邦夫さん原作の作品ということで、演出の稲葉賀恵さんとはどんなお話をされましたか?
木村:
今回の撮影でお会いしたのが「はじめまして」だったので、取材を重ねながら稲葉さんの考えを聞きだした感じです。
酒井:
そうですね。

今もある「家族とはこうあるべき」という考え方
――今回演じられる、長男役の出、次男役の敬二について教えてください。
酒井:
ひと言で言い表せない役ですよね。
木村:
狂人とは言いながら、家族自体も狂人だし、狂人の集まりみたいな感じで……。僕の演じる出だけが狂人なわけではないと思いますし、見ていたらすごくヒリヒリすると思うんです。

酒井:
僕の演じる次男の敬二は、家族のしがらみから抜け出したいという役柄です。でも抜け出せないという家族の形なんですよね。とにかく自由を求めているけれど、逆に抜け出せなくて……。
木村:
それで洗脳されていっちゃう。
酒井:
今でもそういう風潮って少しある気がします。日本に昔から根付いている考え方というか……。「家族とはこうあるべき」みたいな。
木村:
家族間のやり取りはすごく1960年代な感じがした。あと、第二次世界大戦でアメリカが日本を攻めるときの大義名分が「前時代的な日本を救ってあげよう」だったという表現が秀逸でした。

――本作品の舞台は、物語が書かれた1969年だと思うのですが、台本を読まれて調べたことは?
酒井:
いろいろ調べました。台本も1回読んだだけだとまだ分からないところがあったので何回も読みましたし、専門的な用語や古い言い回しもあったのでいろいろ調べましたが、たくさん調べすぎて、ひとつを挙げるのが難しいですね(笑)。
木村:
昔のとはいえ、今も昔も変わらないものもあるなと思いました。演出の稲葉さんもおっしゃっていましたが、生きづらい世界観というか、今回は家族に関する問題ですが、今でも似たようなことってあると思うんです。
そこから抜け出したいけれど抜け出せないという、敬二が思っているような考え方もあるし、常に囲われている世界でどう生き抜くかをみんなで考えるのって今の日本でもあまり変わっていない気がします。読めば読むほど深くなるし、噛めば噛むほど味のしてくる作品だとも思うので、この限られた公演数でどれだけ楽しみながら演じられるかというのが課題ですね。
酒井:
そうですね。
木村:
今回は役者同士がどれだけ打ち解けられるかが、家族のお芝居に関係してくる気がしています。台本でセリフは決まっていて、どのタイミングで言うかというのはあらかじめ決まっていたとしても、内からにじみ出る、家族にしか出せない独特な雰囲気というのは僕らキャストとスタッフさんたちとつくり上げていくしかないので、密に稽古したいですね。

木村さんが気になるキャストは酒井さん!
――今回の舞台でとくに気になっている役やキャストは?
木村:
酒井大成くんですね。たまたまこの作品の前に共演したので、今回の舞台を経てどう変わっていくのかとても気になっていますし、この間山形でご飯を奢りました(笑)。
酒井:
焼肉、ごちそうさまでした!
木村:
すごいキョドるんですよ。「いいんですか?」「本当にいいんですか!?」って。いや、いいだろ焼肉くらい奢られても(笑)。
酒井:
そんなにキョドってました?(笑)

――舞台への意気込み、お客様に楽しんでほしいことを教えてください。
酒井:
ライトなお話ではないので、舞台を観てもらい、心にグッと刺さるものがあって「来てよかったな」と思ってもらえるのが一番だと思います。そのためにも、自分の役や作品としっかり向き合っていきたいです。
木村:
演出の稲葉さんとお話した際に、台本はかなり清水邦夫さんのオリジナルを活かしていくということだったので、ヒヤヒヤしながらもクスっと笑って、楽しんでいただけたら何よりです。このキャストだからできる9公演なので「観に来ない手はないよ」とお伝えしておきたいです!
僕らの一番のエネルギーはお客さんなので。やっぱり稽古よりゲネプロですし、ゲネプロよりも本番に力が発揮できるはず。お客さんに“観られている瞬間”にエクスタシーを感じるのが役者なので、そんな狂人たちの姿をぜひ観に来てください。

自分が「狂人」になってしまう瞬間は? 一問一答15問&有料限定カット4枚も大公開!
Q.この世界に入ったきっかけを教えてください。
ここから先は
¥ 300
よろしければ応援お願いします! より読者の皆さんへ喜んでもらえるコンテンツ作りに還元します!
