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『ビバレン』アートディレクター斎藤千晃&キャラデザ風李たゆが明かす制作秘話「成長中のアイドル14名として、あえて“伸びしろ”を残しているんです」

2021年のプロジェクト発足から3年、熱狂的な支持を集めるバーチャルアイドルオーディション『VS AMBIVALENZ』(以下、『ビバレン』)

1st オーディション“勝者”である7人組グループ・XlamVをはじめとしたアイドルたちの、個性が活きるMVや衣装、そしてSNSでの魅力的な“写真”は、いまや多くのファンの心を掴んで離しません。

そんな注目のコンテンツ・『ビバレン』のビジュアル面を生み出しているのが、アートディレクターの斎藤千晃さんWhenイラストレーターの風李たゆさん。キャラクターデザインから衣装、グッズまで……幅広いクリエイティブを二人三脚で作り上げています。

そこでnumanでは、毛利プロデューサーへのインタビューに続き、お二人のインタビューを敢行。魅力的なビジュアルが生まれる背景を探ると、それぞれの専門性を活かしながらも領域を超えて意見を出し合い、アイデアを形にしていく独自の制作スタイルが明らかになりました。

さらには、「狙った演出はしない」「最初から完成されすぎず、あえて“伸びしろ”を残す」など、リアリティを生み出すための極意も。

XlamV・fun4re・illuvistaそれぞれのキャラクターおよび衣装デザインの制作秘話、そして2024年11月24日(日)に解禁され期待が高まる2ndオーディションの展望など、“ここだけの話”をたっぷりと伺いました!

※2024.12.06に公開した記事を一部編集のうえ、転載しています


「風李さんなら、想像以上のものを生み出せる」

──お二人は『ビバレン』のビジュアル面を総合的に担当されているとのこと。まずは、役割分担について教えてください。

風李たゆ(以下、風李):
私はイラストレーターという立ち位置から、キャラクターデザインやCDジャケット、MVやイベントのキービジュアルにおけるメンバーのイラストを担当させていただいてます。

斎藤千晃(以下、斎藤): 
自分が担当しているアートディレクターの役割は、プロデューサーの毛利泰斗さんや脚本家の関根アユミ先生、音楽ディレクターの青山正太さんなど運営チームが示すプロデュースの方針を視覚的な表現に落とし込むことです。

衣装などを含めたキャラクターの魅せ方や楽曲ごとのビジュアルコンセプトを決めて、風李先生と一緒に作り上げています。

例えば、今年(2024年)の10月26日(土)に開催された2ndファンミーティングのキービジュアルだと「デビューして14人が揃う初のアニバーサリーなので、アイドルらしいチェキ風のデザインに。『ビバレン』シリーズ全体の一体感を出すためにライバル同士意識したポージングを。」と決めたうえで風李さんに“撮影(※イラスト作成)”していたただきました。

ほかにも、イベントやグッズなどビジュアルに関わるコンテンツには企画考案から携わらせていただいている......という具合です。

──MVや CDジャケットのタイトルロゴも、斎藤さんがデザインを担当されているのでしょうか?

斎藤:
最初のオーディション期間は自分がほぼ全て手を入れていました。XlamVデビュー後のMVなどは各分野のより専門性の高いクリエイターさんに依頼していますが、楽曲イメージとの整合性やトーンの調整など、必ずディレクションに入るようにしています。

風李:
外部の方に一部の制作をお願いする場合でも、作品としての統一感を保つため、必ず私たちが監修するようにしています。

──風李さんも、監修に携わっているのですね。

風李:
ビジュアル面に関しては、斎藤さんと私で話し合いをしながら決めていく部分がすごく多くて。「イラストレーター」という肩書きにとらわれず、さまざまな提案をさせていただいてます。なので、斎藤さんとは毎日連絡を取り合っているんですよ。

斎藤:
四六時中連絡を取っていますよね(笑)。

『ビバレン』で初めてアートディレクターを担当したので、「プロに教えてもらって引き出す」ところを頑張った方がいいかなと。自分だけで決めるよりも、「今回はこういう方針があって、メンバーたちを絶対こう魅せたい」という大枠の考えをぶつけて、あとはお任せした方がより良いものができると思ったんです。

1キャラクターとしてではなく、1人の“アイドル”としてファンの方に応援してもらえるように、風李先生には「その子の全部を理解して描いてもらう」ことが大事だと考えているのも理由の一つです。

風李:
「次はこういう衣装を着せたい」「こういうコンセプトで打ち出したい」など、毎回まさに二人三脚で考えていますよね。こうやって斎藤さんに信頼していただいて、イラストのみならず演出面に関しても気軽に提案できる環境を整えてくださるのは、本当にありがたいです。

斎藤:
たぶん、お互いの好みを知っているから、引き出しやすいんだと思います。普段から、エンタメ分野のトレンド情報はお互いによく共有するようにしています。

風李:
斎藤さんとは、個人的に好きなファッションも共有し合っていますよね(笑)。こうした日々のインプットが、『ビバレン』でのアウトプットにつながっている部分もあるのかもしれません。

──『ビバレン』のクリエイティブには、お二人ならではの感性が活きているんですね。初期の段階から、今のように密にアイデアを出し合っていたんですか?

斎藤:
オーディション候補生14人のキャラデザを考えていた段階では、そうではなかったと思います。

でも、風李先生に色々と描いていただくうちに、「風李先生なら、自分の想像を超えたものが出てくるかも」と気づき始めて。細かい指示で縛るのではなく、大枠を示した上で自由に発想してもらう“余白のあるディレクション”になっていきました。

今ではラフだけを自分が作って、細かいところは風李さんに託すことも多いですね。

──なんでも言い合える雰囲気はいつ頃から出来上がっていったのでしょう?

風李:
実は、意見を出しやすい雰囲気の土台は、プロデューサーの毛利さんが作ってくださっていたんです。

最初にお話をいただいた時、当時私が住んでいた長野県までわざわざ来てくださって。「風李さんなら『ビバレン』をどう作りますか?」と聞いてくれたので、当時の絵柄のトレンドやニーズの話も交えながら、私の中にあったイメージをお伝えしました。

斎藤:
直接やり取りするようになったのは、最初のキャラデザが固まってきた頃からでしたっけ?

風李:
ですね! 最初は別の方と連絡を取り合っていたのですが、毛利さんが「チームで直接コミュニケーションを取りながら制作した方が良いだろう」と、その方と斎藤さんと私のチームを作っていただいて。そこから、お互いの意見を出し合える関係性が自然と築かれていきました。

1st候補生14名のビジュアルは“磨けば光る原石”を意識

──2ndファンミーティングでは、シリーズ構成の関根アユミさんが「候補生14名のキャラクター案は約30人から絞り、風李さんにデザインを考案してもらった」という話もありました。最初に、どのような依頼を受けたのですか?

風李:
内面はある程度決められていたのですが、外見に関して細かい指示は一任して頂いていました。例えばCIONくんだったら丸眼鏡とか、必須のアイテムは決まっていましたが……「カラーリングはこんな感じです」みたいな、余白がある状態でご依頼いただきました。

なので、ビジュアル面はかなり自由に提案させていただいて。関根先生も斎藤さんも、すごく柔軟に捉えてくださってますよね(笑)。

──風李先生から最初に上がってきたキャラデザを見て、斎藤さんはいかがでしたか?

斎藤:
「イメージと違う!」ということは一切なくて、ほかの担当者も含めてみんな「言うことないね」みたいな感じでしたね。だからこそちょっと欲が出てきて、いくつかパターンを出してもらいました。

例えばLIONだったらもうちょっと内向的なイメージを加えるために、前髪伸ばしてもらったりとか。

──キャラデザで特に意識されたポイントはありますか?

風李:
“ポテンシャル”を残すことですね。ステージに立った時にメイクや衣装で“垢抜け感”を出しつつ、いろんな楽曲コンセプトに合わせられるように、ヘアスタイルにも幅を持たせたんですよね。

(公式YouTubeチャンネルで配信している)フラグメンツドラマの中で色々なヘアスタイルをお見せする機会もあるので、その時に「この子って、実はもっとかっこいいのかも?」とファンの方に思っていただきたかったのもあります。

斎藤:
最初からバチバチにヘアメイクされているのではなくて、“磨けば光る原石”という感じで。まさに「これから光るぞ……!」と思ってもらえるようにしています。

キャラデザを考えている途中で、「これはちょっとベテランのアイドルくらい完成されちゃっているから、やめておこう」みたいなこともありましたよね(笑)。

風李:
はい(笑)。関根先生も2ndファンミーティングで「必ず欠点のある人間にする」とお話されていたと思うのですが、ビジュアルも突き抜けすぎないように意識していて。 見た目的な欠点ではなくて、「もっといろんな姿を見たい!」と思ってもらえるような、“伸びしろ”を残すことを大切にしていました。

引き算で魅せる、クリエイティブの工夫

──『ビバレン』のクリエイティブを作るうえで、特に譲れないこだわりはありますか?

斎藤:
ちょっと極端な言い方かもしれませんが、「アイドルファンってこれ好きだよね」みたいな枠組みに当てはめないように気をつけていますよね。

風李:
応援してくださる方に対して「皆さんはこういうのが好きだろうな」と最初から決めつけるような魅せ方はせずに、模索してみることは心掛けています。

同時に、メンバーがそれぞれどんな魅せ方をしたいのか?という本人の主体性も織り込むようにしています。

──メンバーの主体性を大切にする方針は、最初から……?

斎藤:
はい。XlamVがデビューしてからは、特にそうかもしれないです。

与えられたコンセプトのもとで、メンバー本人がどうしたいか。一人の人間として恥ずかしくないか。例えば、「ISSEIだったら、甘いセリフは言えるけど、これ以上はちょっと違うかな?」とか。

AUGURIに関しても、キュートな衣装やポージングが得意だけど、本人がクラリスに見せたい自分の幅はもっと広いのかなと思うんです。

風李:
AUGURIくんがそういったコンセプトをやりたくないってことではなくて、「かっこいい姿もかわいい姿も認めてほしい」のかなって。そうなると、かわいいだけじゃない魅力も大事にしてあげたいんですよね。

斎藤:
衣装に限らずMVやビジュアルデザインも同じように、キラキラさせすぎず、あくまでメンバーが主役になれるちょうどいい塩梅を探っています。トレンド感は意識しつつ、邪魔にならないように工夫しているんです。

自分はもともとゲームデザイナーだったのですが、その時からプレイの邪魔をしない画面設計に気を遣っていて。メニューボタンが主張しすぎると、そっちに目が行っちゃうじゃないですか。

そうではなくて、プレイヤーの体験を良くすることの方が大切なので『ビバレン』でも“クリエイティブは引き算で魅せる”ことを大事にしています。

風李:
その考え方は、最近のMVの画作りにもつながってきていますよね。私も最初の頃は、イラストを描く……つまり“撮影”する際に、なるべくメンバーの顔がちゃんと分かることを目標にしてたんですよ。

グッズにもなる素材ですし、ファンの方もお顔を大切に見てくれるので。でも最近はそれを見直して、「顔、ちょっと隠れてもいいですか?」と。

──なぜ“顔が分かる”ようにするこだわりを、見直したのでしょうか?

風李:
グッズになった時の事などを考えすぎて固定概念に囚われてしまうと、キャラクター一人ひとりが持つ魅力を、それ以上に引き出す事に限界が来てしまうので、特に最近のMVなどではもっと動きの流れの中を切り取るような意識で描いています

そうすることで、1つの表現のみに囚われず多彩な表現のできるアイドル に見えてくるのでは無いかと考えています。

とはいえ、1周年記念の時は王道のタキシードで決めていたり、2ndファンミーティングの時にはアイドルらしいカラフルなスーツを着ていたり。押さえるところはしっかり押さえる、バランスを大事にしていますね。

──お二人が撮影されるメンバーのお写真は、どれもそれぞれの個性が引き立っているように思うのですが、制作はどのように進めているのでしょうか?

風李:
まずは斎藤さんが、撮影のシチュエーションやコンセプトを提案してくださるので、その中で私が具体的なポーズや表情を決めていきます。

その際、メンバーがそれぞれどのように解釈して表現に落とし込むのかと、まずは動きを想像してみるんです。そうやって自分の頭の中に浮かんできた映像のワンシーンを、“写真”として1枚に切り取る。そうすることで、リアリティのある仕上がりになるんです。

斎藤:
今までの経験から、なんとなくイメージが見えてくるんですよね。例えば椅子に座ったポーズで撮影をするとしたら、「このメンバーはこういう座り方をするだろうな」と。自分も、まずは頭の中で映像を思い浮かべてから、具体的に落とし込んでいくことが多いです。

風李:
あとは、カメラとの距離感も意識していますね。「今自分は、メンバーとどのくらいの距離で撮影しているのだろう?」と。

私のSNSでは「イラストを描きました」と書くのではなく、「撮影しました」とするのも、そういう背景があるからなんです。

fun4reとilluvistaは「おはよう」と「おやすみ」をイメージ?

──『ビバレン』から誕生した各グループの、クリエイティブ面での違いについても伺います。まずはXlamVで意識していることを教えてください。

斎藤:
前提として、XlamVは「I am V(=勝利、優勝)」をクリエイティブ面でも体現していけるように考えています。ただ、代々受け継がれてきた王の座ではなくて、「地下から這い上がってきた王者」というコンセプトが軸にあるんです。

もちろんそれはファンの皆さんの応援があってこそなのですが、自ら努力を重ねたことで成長し、羽化できた……という意味で、“登る”イメージを大切にしています。

風李:
衣装デザインとしては、「“climb(=山を登る)”という要素が出てきたので、クライミングで使う道具や命綱など、山登りの器具の要素を衣装に入れたらどうでしょう?」と提案したのが採用されています。

例えば、胸のリボンのところにカラビナを使ったり、靴はトレッキングブーツをモデルにしたり。よく見ると、衣装の細かい部分にクライミングの要素が取り入れられているんです。

──「fun4re」と「illuvista」についてはいかがでしょう?

斎藤:
どちらのユニットも、イメージカラーはXlamVの対比にしたくて。(XlamVの)黒に対して白にしようと決めていました。別グループになるので、本来ならfun4reとilluvistaでそれぞれ違う色にしたくなると思うのですが……。2つを“白だけど違うテイスト”にしたかったんです。

fun4reのメンバーは、親近感のあるフレンドリーな雰囲気の子たちが集まっているので、実は「同級生のアイドル」みたいなコンセプトがあって。ついつい応援したくなるようなグループを表現できるといいなと考えました。

風李:
文化祭で、クラスのちょっとかっこいい男の子がステージに立っているみたいな。親近感は沸きつつも、つい心がときめいてしまう……例えるなら、バスケ部のかっこいい先輩が放課後に練習しているのを見た時の、あの感情に近いかもしれません(笑)。

──XlamVの衣装ではクライミング要素を盛り込んだとのことでしたが、fun4reとilluvistaの衣装はどのようにイメージを固めていったのでしょうか?

風李:
fun4reの衣装は、本当に悩みましたね。最初は「探検隊のイメージで」という提案があって、斎藤さん含めたチームのみんなで「いいね!」となっていたのですが……デザインを詰めていくうちに「これはちょっと違うかも」と(笑)

見栄えの観点から、もう少しアイドルらしい要素も入れたいと思ったんです。ただ、カーキのようなアースカラーがメインになると、どうしてもそこから外れてしまって。逆にそのカラーリングをやめると、今度は探検隊のイメージが崩れてしまうので、どうやってキラキラした要素を取り込むか、すごく考えました。

斎藤:
いろいろと悩んだ結果、学園祭のような親しみやすさのある、現在の方向性に落ち着きましたよね。

風李:
アメリカンハイスクールっぽい大きめのカレッジジャケットみたいな、ゆったりとした感じに。オーバーサイズで、衣装なのかカジュアルなのか、その境界線を意識して作っていきましたね。

斎藤:
対照的に、illuvistaはすぐに方向性が決まりました。

風李:
そうですね。REY様がいますから(笑)。この3人だったらfun4reとは対照的に、夜のような、よりクラシカルな雰囲気にしようと。

VS AMBIVALENZ
VS AMBIVALENZ

斎藤:
朝起きて『おはよう』って言いたくなるのがfun4reで、『おやすみ』と言って夢の中でまた会いたくなるのがilluvista」というイメージですね。fun4reを太陽に、illuvistaを月になぞらえています。

風李:
あくまで妄想なのですが、例えばイルビスタがライブをするなら「illuvia(イルビア)のみんなおやすみ」と言って終わるだろうな、とか(笑)。そういう細かい想像も重ねながら作り込んでいきました。

斎藤:
illuvistaのメンバーは王子様っぽい雰囲気の子が集まっているので、少し“やんごとない印象”に仕上げています。

風李:
どちらのグループもアイドルとしての完成度は追求しつつ、XlamVの王者という立ち位置が引き立つよう、バランスを意識してデザインしています。その中で、それぞれのメンバーの個性も大切に表現するように心がけていますね。

初ライブ練習時のアクシデントがそのまま3D映像に!個性が活きる、リアルな動きを重視

──今年4月12日に開催された、XlamV初の3Dライブ『XlamV 1st LIVE -To You-』についても伺います。ここでは、お二人はどのようなことを担当されていたのでしょうか?

斎藤:
ここでも風李先生がイラストレーターでキャラクターデザイン担当、自分がアートディレクターという立場ではありますが、その枠組みにとらわれすぎないようにはしていました

風李先生は舞台演劇の経験があって、歌もお上手で楽器も弾けるマルチな方なので、その才能を絶対に活かしたいと考えたんです。

なので、3D制作や収録現場のスタッフの皆さんには大変お手数をお掛けしたと思うのですが、風李先生には前に出てもらって、メンバーの動きについて意見をもらうかたちで進めてみました。

風李:
そうなんです。3Dモデリングの制作期間から、膨大な確認作業をずっと一緒にやってきて。モーションキャプチャー収録の初日は、いよいよ迎えた撮影の日という感じでした。

現場監督さんや演出の方とも意見交換できるような環境を、斎藤さんが事前に整えてくださっていたからだとは思うのですが、当日撮影スタジオに入ったら、いきなりマイクを渡されて(笑)。

向こう側に確認用モニターと机が並んでいて、制作陣が全員座っているんです。みなさん私の顔を見て「どうぞ、仕切ってください!」みたいな(笑)。

──当日にいきなり現場の指揮を任されたのですね。その後はどうされたのでしょうか?

風李:
最初は戸惑いましたが、とりあえず全員で輪になって自己紹介することから始めて。(3Dのモーションを演じる)アクターさんたちと「このメンバーの性格を、どのように解釈されましたか?」と、演じる役に対する認識を、最初にすり合わせていきました。

斎藤:
振付師の緑喜一紗さんが考案された振付をもとに、アクターさんがそれぞれのメンバーに合わせて動きを事前に作ってくださっていて。それに「ここの振りはもっとアイドルらしく、こうしてみたらどうでしょう?」と、提案させていただきました。

そうやって何度もテイクを重ねるうちに、だんだんとアクターさんたちもアイドルらしい動きや、メンバーの性格面や動きの踊り方のクセに対する理解を深めてくださって。吸収力の高さに、とても驚きました。

風李:
2nd ファンミーティングでも少しだけ触れた「You&Me」のサビの振り付けについてですが、最初に私たちの方で振り付け動画を確認させていただいた際に、「ありがとう」という歌詞がより明確にたくさんの方に伝わると良いなと考えまして。そこで、「手話の<ありがとう>の動きを、ダンスの中に取り入れて頂けないでしょうか」というご提案をして、実現しました。

ダンス以外にも、演技面もメンバーに合わせた細かい動作までこだわっています

歩き方や歩く速度、顔の向け方に笑い方、手の振り方や歌う時の仕草など……一挙手一投足にメンバーの息吹が伝わるように、 アクターさんにもダンサーさんにも、それぞれの個性について指導をさせていただきました。

もちろん、ダンスの振り付けについて指揮を担当されているのは緑喜さんなので、「こんな風にアクターさんにお願いしてみたいのですが、大丈夫ですか?」と確認しながら一緒に作りあげていきました。

──逆に、当日の現場でのアクターさんの動きがヒントになっている部分も?

風李:
また、こちらもファンミで話題にしましたが、ライブ中にAUGURIくんがよろめいてしまって、それをLIONくんがさっと助けるという場面があり、それは実際にアクターさん同士で起きたアクシデントがもとになっているのです。

事前に頂いた振り付け動画の中で起こっていたのですが、斎藤さんと確認している時に発見して「このアクシデントを振り付けにそのまま活かせたら、メンバーをより身近に感じて頂けそうですよね」と意見が一致して、ダンスの中に反映していただきました。

──そんな裏話もあったのですね。XlamVメンバーのパフォーマンス映像ももちろんですが、当日彼らの後ろに投影された楽曲ごとのムービーもすごくクオリティが高くて、すばらしかったです。

斎藤:
ありがとうございます。普段からMVを作ってくださっているチームの皆さんが一貫して担当しているので、メンバーやXlamVのことをすごく理解している方々で制作しています。

なので基本はお任せしていたのですが、ムービーの演出で自分が特にこだわったのが「Go My Own Way」です。

──具体的にはどのようなオーダーを……?

斎藤:
「候補生時代のXlamVメンバーたちの姿を出してほしい」とお願いしました。ライブ中は歌って踊るメンバーたちの姿に集中して、なかなか映像をゆっくり楽しめないと思うのですが、XlamVとしての成長を感じられる瞬間を作りたいなと思ったんです。

「AUGURIの髪が難しかった…」3Dの絶妙な“揺れ感”へのこだわり

──ステージ衣装も素晴らしかったです。ただ、デザインが繊細で映像に落とし込むのには苦労もありそうだと思ったのですが……実際はいかがでしたか?

風李:
3Dになった時の動きとの兼ね合いは本当に難しかったです。

とはいえ、「どんな衣装でも3次元で実現できるように作る」というのが自分の中のポリシーとしてあったので、もともと立体でも実現できるようにデザインを考えていたんです。さすがに3Dライブとして実現するとは、当初予想していませんでしたが(笑)。

──特に苦労したポイントはありますか?

風李:
マントは、本当に最後までこだわりました。もともとはもっと垂れていたんですけど、揺れ感がギリギリまで納得いかなくて……。最終的には、裾を背中側に持ってくるようなデザインにしました。

あとは、髪の毛の揺れ方。例えばAUGURIくんだと髪の毛が重ためのボブなので、どのくらい軽やかに揺らすか、重みはどうするかとか。軽すぎると毛量とのギャップが生まれてしまって、質量が生きてこないんです。

斎藤:
大変でしたよね。3Dチームの皆さんと一緒に、1フレームずつ髪やマントの揺れ具合を確認して。

こういう調整ってなかなか言いづらかったり、現場の空気が硬くなったりしがちなんですけど、本当にいろんなプロフェッショナルたちが集まってくださって、自由な制作ができたといいますか。プロジェクト発足から約3年、これまで築いてきた関係性があったからこそ実現できたのだと思います。

お互いにすべてを共有して、すべてを引き出し合う。そういうコミュニケーションの積み重ねが、初ライブの成功につながったのではないかと思います。

「3年目のXlamVとしての成長を魅せる」2ndライブへの期待

──2025年5月に開催する、豊洲PITでの「XlamV 2nd LIVE」の発表もありました。多くのファンの方が待ち望んでいるライブだと思うのですが、率直な今の気持ちは?

斎藤:
間違いなく、前回より良いものを作らなきゃ」という気持ちがあって。1stライブは、“初めてのライブ”というところにファンの皆さんは期待していたと思うんです。

でも、2ndライブはさらにクオリティを高めて、「絶対にまた見たい」と思っていただける魅力を作らないと。メンバー本人の歌唱やダンスパフォーマンス、MCもですが、我々が担当する衣装や全体のビジュアルコンセプトも、全部ブラッシュアップが必要だなと考えてます。プレッシャーは、やばいですね。

風李:
そうですね。実は1stライブは、「XlamVにとって最初のライブ」という点をすごく大事にしたかったので、「初めてだから全部は完璧にいかないよね」というところを、あえて残していました

例えば、ダンスのフォーメーションや、多少のタイミングのズレみたいなものがあったとしても、初めてのライブで緊張している彼らの姿として大切にしたんです。

でも、2ndのライブでは、XlamVの7人の成長をお見せしたい。1stライブを乗り越えた経験を感じられるような、そういう余裕を次はもっと出していきたいなと思っています。

斎藤:
アイドルとしての成長を感じられるように、ですね。

風李:
次のライブの時は、デビューしてもう丸2年。3年目に突入しますから! その厚みというか、人間としても成長し続けていることをぜひ感じていただきたいなと思います。

斎藤:
ファンの方も、もっと彼らのプロフェッショナルな姿が見たいという期待があると思うので、叶えられるようにチーム一丸となって作っていきたいです。

2ndオーディションでは、さらに個性的なアイドル候補生が登場!?

──11月24日には、2ndオーディションに参加する新メンバー10名が発表されました。これから期待してほしいポイントを教えてください!

風李:
いい意味でXlamV、そしてilluvistaとfun4reにとって脅威になるような個性やビジュアルの子たちにできたかなと思ってます。

斎藤:
2ndオーディションはREISENプロダクションとテイルウィンドオフィス、2つの事務所で開催される点もビジュアル面ではポイントになってくるかなと。

キャラデザはもちろんですが、グラフィックとしての全体のコンセプトやデザインも、よりバージョンアップを意識しなければ……! と思っています。

風李:
あとは1stの時は3Dライブの影響もあって、オーディションが終わった後からファンになっていただいた方もすごく多かったみたいで。

そういう方々にも、2ndオーディションは“ライブ感”を持って応援していただける絶好の機会になると思います。魅力的な子たちがいっぱい登場するので、ぜひこれからも『ビバレン』を楽しんでいただけたら嬉しいです。

(文=すなくじら、取材・編集=阿部裕華、柴田捺美)

XlamV 2nd LIVE&リリース情報

<XlamV 2nd LIVE開催>

日程:2025年5月30日(金)、5月31日(土)
会場:豊洲 PIT ▼詳細
https://xlamv.com/ja/news/004130

<リリース情報>
・2025年2月19日(水)発売
fun4re 2nd Single『Best Member』/ illuvista 2nd Single『night for two』
▼詳細
https://fun4re.com/news/003075

・2025年3月5日(水)発売
XlamV 3rd EP『landscape』
▼詳細
https://xlamv.com/ja/news/003129

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