
『黒執事 -緑の魔女編-』小林親弘インタビュー「セバスチャンに負けないヴォルフラムの愛されポイントは、“忠犬”なところ!」
「ヴォルフラムのお芝居では、狼っぽさと忠犬を意識しました」
と語るのは、4月5日から放送中の『黒執事 -緑の魔女編-』で、「狼の谷(ヴォルフス・シュルト)」の領主を務める「緑の魔女」の末裔の少女ジークリンデ・サリヴァン(CV:釘宮理恵)に仕える執事ヴォルフラムを演じる小林親弘さん。
英国からやってきた、執事のセバスチャン・ミカエリス(CV:小野大輔)と主人のシエル・ファントムハイヴ(CV:坂本真綾)に興味を持つサリヴァンに対し、主人に悪影響を及ぼす存在とセバスチャンたち一行に目を光らせるヴォルフラム。

そんな真面目な忠犬・ヴォルフラムですが、実は不器用で料理を作るだけでも日が暮れてしまいそうらしく……。イヌ科の役を演じることが多く、犬っぽい演技が得意分野という小林さんにヴォルフラムの愛されポイントをお聞きしました!
さらに、ドイツを舞台にした物語ということで、駒田航さんによるドイツ語指導のアフレコ裏話も!

『黒執事』との出会いは『寄宿学校編』のオーディション
――『黒執事 -緑の魔女編-』との出会いを教えてください。
小林親弘(以下、小林):
作品自体はかなり前から知っていて、小野(大輔)さんが主人公のセバスチャンを演じていることなども把握はしていました。実は前作『寄宿学校編』のオーディションにも参加していたんです。
――オーディションでは何役を受けられていたのですか?
小林:
武内(駿輔)くんが演じていた、ハーマン・グリーンヒル役です。そのオーディションのときにしっかり原作のマンガを読んで「面白い!」となったのが、作品とのちゃんとした出会いですね。
ヴォルフラム役のオーディションはけっこう難航していたようで、収録開始の1ヵ月くらい前に「決まりました」という連絡がありました。オーディションで演じて印象的だったのは、物語後半のサリヴァンとのシーン。ヴォルフラムとサリヴァンの関係って、立場だけでなく『緑の魔女編』の中では唯一ちゃんとした愛情があるものだと思うので、それをオーディションの1シーンで表現するのは難しくて悩みました。
――原作を読んで「面白い!」となったとのことですが、作品の魅力や、個人的な推しポイントを教えてください。
小林:
キャラクターが魅力的だと思いました。マンガの絵もめちゃくちゃ綺麗ですし、これはみんな好きになるだろうなって。19世紀の英国を舞台にしていて当時の歴史を感じられるし、ファンタジー要素もあるし、執事と主人の間にも信頼関係だけじゃないものがあるし、いろいろな要素が絡み合っていることが推しポイントですね。チャプターごとにきっちり落としどころがついて、次に進んでいくのも読みやすかったです。

ヴォルフラムは「お嬢」を守る、不器用で誠実な人
――今回演じられるヴォルフラムについて教えてください。最初に感じられた印象は?
小林:
不器用な人だなと思いました。最初の登場シーンが、サリヴァンを肩に乗せた状態なので、ふたりの関係性もとても気になりました。執事と主人ではありますが、セバスチャンとシエルの関係性とはまた全然違っていて。ヴォルフラムはサリヴァンに常にイニシアチブを取られていて、サリヴァンはまだ子供で小さな女の子ですが、大柄なヴォルフラムのほうがまったく逆らえなくて……。「お嬢」を守る、不器用で誠実な人なんだなという印象です。
――第一印象から、お芝居をしていく中で印象が変わった部分はありますか?
小林:
原作を読んでしまっているので余計にそう思うのかもしれませんが、サリヴァンと一緒にいることで、ヴォルフラム自身が救われている部分があるんだろうなと感じました。サリヴァンに出会えて本当によかったし、彼女に対していろいろなことを思っている部分もあるし……。愛情を持ってサリヴァンに接している部分はお話が進んでから分かった部分です。

――そんなヴォルフラムを演じられるうえで意識されたこと、お芝居でオーダーされたことは?
小林:
アフレコ中に改めてオーダーされたお芝居って実は全然なくて……。役作りをしていったものでお芝居をしたらOKという感じでした。自分で意識して作った部分は「狼の谷(ヴォルフス・シュルト)」の住人だからというわけではないですが、狼っぽさ。忠犬というか、犬っぽさはかなり意識しました。ご主人のサリヴァンがセバスチャンのほうに興味を持つと、ちょっと嫉妬をして「ウゥ……」となったりして。ヴォルフラムにはそういう可愛らしい部分もあります。
ふしぎとイヌ科の役を演じることがけっこう多くて(笑)。もう犬何匹演じているんだというくらいやっているので、ヴォルフラムの犬っぽいお芝居も得意分野ではあります(笑)。
――忠犬ヴォルフラムは、サリヴァン、セバスチャン、シエルのことをどんな風に見ているのでしょうか?
小林:
セバスチャン一行が村に来たばかりのときは、「あやしいヤツらだな」くらいに見ていたと思うのですが、セバスチャンたちと関わるサリヴァンがとても喜んでいたり興味を持っているところに「よかった」と思うのと同時に嫉妬も抱いていたのではないかと思います。お嬢を大切に思っているから「お嬢が喜んでいるならよかった」と感じていたと思うんですよ。ヴォルフラムにとってはお嬢がすべてのようなものなので。

アンケートを取ったら、9対1くらいでヴォルフラムが負けそう
――ヴォルフラムのお芝居についてお伺いしたので、釘宮理恵さん演じるジークリンデ・サリヴァンについても教えてください。
小林:
サリヴァンは可愛らしい、見た目の年齢相応なキャラクターというのと同時に、すごく聡明だし外の世界への興味も強いから、村の中だけでは得られない刺激に興味があるんだと思います。だから、本当はセバスチャンやシエルが来てくれたことにも興味津々。ヴォルフラムとしてもサリヴァンが喜んでいることは嬉しいんですけど、いろいろな思いもあって複雑な心境だと思うんです。
釘宮さんはアフレコで横に立っても常にサリヴァンでいてくれるし、休憩中に隣に座った際もいろいろお話してくれて頼もしかったです。サリヴァンの興味が外の世界に向くなかで出てくるヴォルフラムとのシーンは強く印象に残っています。
――小野大輔さん演じるセバスチャン・ミカエリスについて、坂本真綾さん演じるシエル・ファントムハイヴについても、小林さんからご覧になった印象を教えてください。
小林:
小野さんのセバスチャンは最初からずっとカッコイイですし、品があるしゃべり方はご本人がお芝居でも気を付けていらっしゃるなと感じました。「セバスチャンの上品さは、どうやって出しているのだろう?」と観察していました。
(坂本)真綾さんとは吹き替えでの共演が多くて、大人の女性を演じられているイメージが強く、少年を演じる真綾さんとの共演が初めてでして……。シエルのお芝居を拝見して「すごいな、こんなこともできるんだ!」という新たな一面を見た思いがしました。

――小野さんからお聞きになった、『黒執事』のセバスチャンを作る上で大切だなと思った言葉はありますか?
小林:
「セバスチャンは常に優雅でいなくてはいけない」と小野さんが最初におっしゃっていました。ちょっとでも喉がイガイガすると「セバスチャン」が「ゼバズヂャ゛ン゛」になってしまうので、そこはとても気を遣われているそうです。
たしかにセバスチャンは優雅さが大切ですが、ヴォルフラムは真逆でもいいのかなとも。多少声が裏返っちゃう感じのほうが、不器用さが出てセバスキャンとの対比になりますよね。セバスチャンとシエルはすごく上品で、ヴォルフラムとサリヴァンは下品……なわけではないですが、食事をガツガツ食べるシーンなんかもあるので、執事と主人の関係としてはそこまで品がなくてもいいんじゃないかなとは思いました。

――セバスチャン&シエルと、ヴォルフラム&サリヴァンの主従対比がよく分かるシーンもありますか?
小林:
まさにその食事のシーンがそうかも! セバスチャンがぱぱっと華麗に食事を作るのに対して、ヴォルフラムがミリ単位で食材を計って作ろうとする……調理に一生かかりそうでした。「これ毎日やってんの!?」ってなりましたもん(笑)。
――セバスチャンとヴォルフラム、執事として傍にいてもらうならどちらがいいですか?
小林:
それはやっぱり、セバスチャンですよ! 完璧ですもん! 執事にしてはちょっと圧が強いこともありますが、そういう部分も込みでセバスチャンのほうが安心感があると思います。ヴォルフラムは親身になってくれるからいいという人もいると思いますが、人を選ぶかもしれません。日本中にアンケートを取ったら、9対1くらいでヴォルフラムのほうが負けると思いますよ(笑)。セバスチャンは強いと思います!

隙のないセバスチャンと、隙だらけのヴォルフラム
――セバスチャンは完璧な執事ですが、ヴォルフラムのセバスチャンに負けないポイントを教えてください。
小林:
セバスチャンに負けないところは難しいのですが、あえて言うなら忠犬っぽいところが愛されポイントかな……。セバスチャンは完璧なので、隙がないんですよね。ヴォルフラムは隙だらけなんですよ!
なんだったら、最初からちょっと違和感があるくらい……。「なんでコイツ執事できてるんだろう?」みたいな感じがあるので、その隙がある感じがヴォルフラムのセールスポイントですね(笑)。

――『黒執事 -緑の魔女編-』で小林さんが気になっているキャラクターを教えてください。
小林:
スネークですね。あえてこれまでのアニメを見ずに、シエルたちの過去を知らないヴォルフラムと同じ状態でアフレコに臨んだので、寺島(拓篤)くんが最初にスネークのお芝居をした瞬間に「なになに、これどうしたの!?」と思って驚きました。
いろんな蛇の言葉を代弁するから、「あと何種類いるんだろう?」と思って、どんな蛇の言葉でもいけるのか無茶振りしてみたいです。でっかいアナコンダとか登場させてくれないかな?(笑)
――作中でヴォルフラムと接点があって、掛け合いが面白かったキャラクターは?
小林:
渡辺(明乃)さんのヒルデですね! 渡辺さんのドイツ語がめちゃくちゃうまくて……! ドイツ語の監修をしていた駒田(航)くんも「ドイツ人みたい!」って言っていました。全部一発でOKが出たのは、ヒルデだけだったんじゃないかと思います。駒田くんが横でドイツ語を言ってくれるから、それをマネして言うんですけど、渡辺さんのヒルデは堂に入っている感じですごかったです。

ドイツ語パートには、駒田航先生の熱い監修が
――原作を拝見すると、ドイツ語パートがけっこうありそうですが皆さんどんな風に練習されたのでしょう?
小林:
それはもう、四苦八苦しながら練習しました(笑)。1話がとくにドイツ語が多いので、1話だけは普通の収録が終わったあとにとにかくドイツ語だけを録る感じになりました。そこが本編を録るより時間がかかりましたね……。
ヴォルフラムの「何を騒いでいる」というドイツ語の台詞を事前にもらった音源の通りに言うんですけど、日本語にはない音があったりして……。「ドイツ人はそのニュアンスでは言わない」とか「こうしたほうがドイツ語っぽい」とか、ドイツで育った駒田くんから全員に熱い指導が入っていました。
「よりドイツ人が言っているように聞こえるには」みたいな細かい部分も見てくれて、駒田くんがいなかったら大変なことになっていたと思います。発音に「イガッ」とした感じが乗るとよりドイツ語っぽいと言われて実践したら、コツが掴めた気がします。とくに小野さんはドイツ語でしゃべらないといけないパートがたくさんあったから、大変そうでしたね。
本当に困ったときの最終手段として、マイクの横に駒田くんがいてくれて「僕が言うのでそのあとに続いて言ってください」というスタイルで録っていました。

――ドイツ語に限らず、印象に残ったヴォルフラムの台詞を教えてください。
小林:
一番はサリヴァンとの出会いについて話したときの台詞ですけど、もうひとつはヴォルフラムが料理を作っているところの一連ですね。もう可愛くって!(笑)
ヴォルフラムって自分が不器用だと自覚していないんですよね。セバスチャンがパンの生地をこねて焼き上がるまでにほかの料理を仕上げると言っても、「まずパンを作らないとダメだろう」と返していて……。しかも、さも当たり前のことを言っているのは自分でセバスチャンに対して「何を言っているんだコイツは」みたいに言うところが、ものすごくヴォルフラムらしくて印象的な台詞でした(笑)。

――放送中の『黒執事 -緑の魔女編-』、ネタバレなしに見どころをお聞きするのが難しいと思うのですが、期待してほしい部分を教えてください。
小林:
「この村には何かあるぞ?」という部分ですね。まず女性しかいない村にひとりだけ男の執事であるヴォルフラムがいて「なぜ?」と思うでしょうし……。『寄宿学校編』のミステリー感とはまた少し違って、正体不明な感じなんですよね。『寄宿学校編』が対人間のミステリーなら、『緑の魔女編』は妖怪が出てくる村で事件が起きるミステリーみたいな……。
正体不明な何者かの謎を解いて、その正体を探っていくのが面白さだと思います。あの完璧執事のセバスチャンに「難しいかもしれない」と言わせる、不気味な「狼の谷(ヴォルフス・シュルト)」での事件にご期待ください。

撮影=井上ユリ
ヘアメイク=髙山愛梨 (M's hair&make-up)
スタイリスト=高山良昭
Xにて、小林親弘さんサイン入りチェキ プレゼントキャンペーンを実施!

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・本キャンペーンはX社が運営・提供・協賛するものではありません。
Program overview

『黒執事 -緑の魔女編-』
2025年4月5日(土)より放送開始
TOKYO MX 4月5日(土)より 毎週土曜23:30~
BS11 4月5日(土)より 毎週土曜23:30~
群馬テレビ 4月5日(土)より 毎週土曜23:30~
とちぎテレビ 4月5日(土)より 毎週土曜23:30~
MBS 4月5日(土)より 毎週土曜27:08~
【スタッフ】
原作:枢やな
(掲載 月刊「Gファンタジー」スクウェア・エニックス刊)
監督:岡田堅二朗
シリーズ構成:吉野弘幸
キャラクターデザイン:清水祐実
サブキャラクターデザイン:髙田 晃
総作画監督:清水祐実・髙田 晃・清水裕輔・猪口美緒・寒川 歩
色彩設計:横田明日香
美術設定:伊良波理沙(KUSANAGI)
美術監督:根本邦明(KUSANAGI)
テクニカルディレクター:佐久間悠也
撮影監督:金森つばさ
CGディレクター:伊藤達弘
編集:小口理菜
音楽:川﨑 龍
音響監督:明田川 仁
制作:CloverWorks
【キャスト】
セバスチャン・ミカエリス:小野大輔
シエル・ファントムハイヴ:坂本真綾
ジークリンデ・サリヴァン:釘宮理恵
ヴォルフラム:小林親弘
フィニアン:梶 裕貴
メイリン:加藤英美里
バルドロイ:東地宏樹
スネーク:寺島拓篤
タナカ:麦人
【公式サイト】
https://www.kuroshitsuji.tv/emeraldwitch/
【公式X】
https://x.com/kuroshitsuji_pr
ⒸYana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler
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