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「すべてが感動的だった」岐洲匠が大切にする“豊か欲”とは? 舞台『忠臣蔵』で名作の歴史を繋ぐことに感じる喜び

赤穂浪士の活躍を描く『忠臣蔵』が堤 幸彦さん演出の舞台となって、令和に甦る――上川隆也さんと豪華キャストが出演する本作、12月より東京公演がスタートします。

そんな舞台『忠臣蔵』に出演する岐洲匠さんが登場! 大先輩俳優への熱い想いが止まらないトークやプライベートや本音が見えてくる一問一答(有料公開=300円)お見逃しなく。カメラロールにあるお気に入りの1枚も必見です。

(撮影:森崎純子、執筆:田部井徹)


舞台『忠臣蔵』作品概要

『忠臣蔵』
演出/堤幸彦
出演/上川隆也 藤原紀香 立石俊樹 藤岡真威人 崎山つばさ
岐洲匠 石川凌雅 近藤頌利 藤林泰也 唐木俊輔
財木琢磨 松田賢二 徳重聡 珠城りょう 高橋克典
公演/12月12日(金)~28日(日) 明治座
以降、名古屋、高知、富山、大阪、新潟(長岡)で公演
公式HP●chushingura-ntv.jp
※公演日程など詳しい情報は公式HPにて
企画・製作/日本テレビ

profile

岐洲匠(きず・たくみ)1997年4月13日生まれ、愛知県出身。
公式HP●https://www.web-foster.com/artists/kizu-takumi/

300年続く作品を“繋げていく”意味。「嬉しい」以上の気持ちがある


――舞台『忠臣蔵』の制作発表会見にて「役者やっててよかった!」という岐洲さんの言葉が印象的でした。
 
岐洲匠(以下・岐洲):本当に緊張して何を言ったかわからなくなるぐらいだったんですけど(笑)。その言葉は心から感じたことなので、思わず出てしまいました。
 
――表情からも思いが伝わってきました。
 
岐洲:
4年前に上川隆也さんと『魔界転生』でご一緒させていただいて、その全てが本当にカッコ良くて。稽古でも舞台の上でも大きな背中で、僕にとって大きな存在だったんです。

絶対にもう一度“板の上”でご一緒したいと思っていた方だったので、それが叶ったという思いと、その上川さんがちょうど僕の前の席に座っていらっしゃって……ちょっと何が何だかわからない思いがあふれちゃいました(笑)。あと、目の前にたくさんの取材の方が並んでいて、その景色すべてが僕にとって感動的でした。

――今回、演じるうえで、大事にしたいと思っていることはありますか? 

岐洲:
まず意識しているのは「役としてやるのではなく居る」ということ。とにかく台本を読み込んで、その世界を知る。そして、ひと言ずつのセリフの意味を自分の中で感じ取る、そういう段階から積み上げていきたいと思っています。

ただ、このあと台本が変わっていくこともあるそうなので、そこは稽古の中で柔軟に、その都度対応できるように、という思いは持ちつつ臨みたいです。 

――『忠臣蔵』という作品は長く演じられてきた名作ですが、岐洲さんの同世代など、若い世代にとってはあまり知らない方も多いかもしれません。 

岐洲:
そうですね。そういう意味では300年愛され続けているこの『忠臣蔵』という作品を今、令和の人たちに届けることができるっていうのは、意味のあることだと思うし、そこに参加できるというのは、すごく嬉しい…。

嬉しいという言葉じゃ収まらないぐらい、大きなことなんじゃないかなと思うんです。演劇の歴史をつないでいくというか。

――会見では「魂が震えます」とおっしゃっていました。 

岐洲:
言ってましたか(笑)。ちょっともう記憶があいまいなんですけど(笑)、でも、ホントにそういう気持ちです。緊張もありますけど、楽しさとかわくわくもあって、稽古に入る前の段階で興奮しています。

「観る人を豊かにしたい」という“豊か欲”が強くある

 ――岐洲さんが新しい作品に入っていく時の準備や、必ずやることはありますか? 

岐洲:
やはり台本を読み込むことです。以前もやっていましたけど、今はより一層やるようになりました。言葉を探る。台本をいただいてその意味や、そこにあるものを考える。

今回の忠臣蔵も本をいただいて、5時間ずっと読んでました。大好きなゲームをやってるときも集中してるんですけど、それを上回る感じ。5時間があっという間でした。そういう思いを舞台に繋げられたらと思っています。 

――読み込む大事さを感じているんですね。 

岐洲:
まずはそこからだと思います。話は変わるんですけど僕、30歳までに本を100冊読もうと決めてるんです。今、25冊ぐらい読んだところで。これまでの人生で合計27冊くらいしか読んでないんですけど(笑)、読むことで得るもの、知るものはあるし、読み解く力も高まると思うので、意識してます。

――ちなみにどのようなジャンルを? 

岐洲:
小説が多いですけど、どのジャンルというより、今は直感で選んでいます。ペースは速くないですが、読むことは好きになりました。

 ――今後への思い、目標などを教えてください。

岐洲:
会見で「役者やっててよかった」と言った言葉の意味は、今回の『忠臣蔵』のように、皆さんに長く愛されて演じられてきている作品を繋ぐことの嬉しさという意味だったんです。それができるような俳優であり続けるようにというのは僕にとって大きな目標で課題だと思っています。

人に感動を与えられる職業だと思うので、時間の許す限り、いろいろな努力をしたい。ちょっと大き過ぎる言い方かもしれないですけど、観ている方、その作品に触れた方を豊かにしていきたいと思ってるんです。そのために知識も大事、そういう意味で先ほどの本を読むことも継続していきたいし、自分を豊かに、そして観る方を豊かにできたらって思います。

 ――「豊かにしたい」というのはいいですね。 

岐洲:
変な言葉ですけど、「豊か欲」が強いと思ってるんです。「豊か欲」が強過ぎて空回りする瞬間もありますが、失敗したことを思い続けて、下を向いても仕方ないので、前向きに行きたいと思っています。自分の中でやめないって決めたので。 

――続けていく、と。 

岐洲:
はい。この仕事をやめないって決めたんで、そのためには自分にできることをやるしかないと思っています。 

――その意味ではこの舞台『忠臣蔵』は大きな作品になりそうですね。 

岐洲:
はい。上川さんをはじめ、皆さんの背中を見て日々芝居ができるということが楽しみです。あと僕、ひとつ上川さんの真似をさせてもらってることがあるんです。

『忠臣蔵』公式サイトより

 ――真似ですか? 

岐洲:
上川さんと握手をしたときに力強くギュッと返してくださったのがすごく印象的で。僕自身、「『キュウレンジャー』見てました。握手してください!」と言われたとき、あの時の上川さんの感じでギュッと握手させていただくようにしているんです。

 ――上川さんへのリスペクトを強く感じます。 

岐洲:
前回、ご一緒した時、感じたんですけど、稽古場も上川さんがいらっしゃるだけで集中力が上がるようなパワーがある方なんです。なので今から稽古が楽しみですし、しっかり準備して臨みたいと思っています。

岐洲匠をもっと知る29の質問!限定カット3枚+カメラロールの秘蔵写真も

Q. How did you get into this world?

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