
長江崚行&佐奈宏紀「アカペラは音を通じてコミュニケーションを取れる瞬間が、最高に気持ちいい!」舞台『アオペラ』インタビュー
「アナタの推しを深く知れる場所」として、さまざまな角度で推しの新たな一面にスポットを当てていくnuman。2024年9月の深堀りテーマは“音楽”。
うれしい時、悲しい時、幸せな時。そして、ちょっぴりつらい時も。いつも私たちに寄り添ってくれる…「音楽を推す」特集を実施中です。

あの曲を聴けば、青春時代の風景が色鮮やかに蘇る。
そんな経験は誰しもあるのではないでしょうか。舞台上でキラキラと歌って、踊って、芝居を届けてくれる役者にもそんな経験がきっとあるはず。そんな期待を抱いてお話を聞いたのは、数多くの舞台・ミュージカル作品で活躍している俳優の長江崚行さんWhen佐奈宏紀さんis.

幼い頃から芸能活動をしてきた長江さんは、自然と歌が好きになっていたと言います。一方で、長江さんからも「いい声」と絶賛された佐奈さんは、意外にも歌うことが好きになったのはつい最近だとか。
そんな意外性あふれる話題からスタートした音楽トークは、おふたりを形成する音楽のルーツや、青春の楽曲、舞台本番前に必ず聴く楽曲まで、和気あいあいと続きました。洋楽好きな佐奈さんに対し、長江さんはK-POPが好きなど、一見すると好みが分かれるようで、意外な楽曲で意気投合したり……!?
長江さんは「音楽は“サンドバッグ”」、佐奈さんは「音楽は“血液”」と語ります。そこにはどんな想いが込められているのでしょうか。“表現者”として舞台に立つおふたりの音楽観に迫るとともに、おふたりが出演する舞台『アオペラ』についてもお聞きしました。

舞台『アオペラ』は、アカペラに魅了された高校生たちを描く音楽原作プロジェクト「アオペラ -aoppella!?-」を原作とした作品で、2024年11月に上演されます。
「アカペラは、音を通じてコミュニケーションを取れる瞬間が最高に気持ちいい」。
アカペラ初挑戦となるおふたりは、そう笑顔をこぼしました。話題がアカペラ稽古やチームメンバーに及ぶと、おふたりの表情にはなんとも温かな笑顔が。お互いに自分のチームのよさを伝え合う姿は、まさに「アオペラ -aoppella!?-」で描かれている、“音楽でつながる青春”そのものです。
インタビューではジャンルレスにさまざまな曲名が飛び交いました。ぜひその楽曲をBGMに、おふたりの音楽の軌跡を追体験してみてください。
※2024.09.13に公開した記事を一部編集のうえ、転載しています
音楽が身近だった幼少期。ふたりに影響を与えた音楽遍歴とは?
――様々な舞台で歌を披露されてきたおふたりですが、歌はもともとお好きですか?
佐奈宏紀(以下、佐奈):
僕は聴くのは昔から好きで、歌うのは本当にここ最近好きになった感じですね。
長江崚行(以下、長江):
え、本当に? あんなにうまいのに!?
佐奈:
僕は生まれたときから喉が弱くて、声変わりで声帯が作り変えられる13~14歳くらいまでまともに声が出せなかったんです。家族は全員歌が上手くて、週に2回は家族でカラオケに行くという習慣があったのですが、僕は声が出せないからずっと嫌で。歌うようになったのは本当にこの仕事を始めてからでした。だけどずっと歌に自信は持てなくて。ただ最近「声がいい」って褒めてもらえることが増えて、そのおかげで歌うことも好きになりました。
長江:
そう! これだけは言いたい。本当に声がいいんです!
佐奈:
ありがとう(照)。
長江:
僕、佐奈くんが出演している『Paradox Live on Stage』を観させてもらったのですが、もう衝撃! 歌もうまいし声もいいし、楽曲の持っている強さをチームの3人で遺憾なく発揮した上で、先頭をぶっちぎりで走りきっている姿にめちゃくちゃ感動して。
佐奈:
(ニヤけながら)やばい、めちゃくちゃ嬉しい。“最高のつまみ”が増えた。録音しておけばよかった(笑)。
長江:
今回も、壱がアカペラを始めるきっかけになったFYA'M'に佐奈くんがいると知って、「絶対大丈夫」と思えたんです。だから、佐奈くんが「最近歌うのが好きになった」と聞いて、嘘だろって思っちゃいました。
佐奈:
なんか……ありがとう(照)。でも、長江くんも歌うまいじゃない。
長江:
小さい頃から事務所で練習していたからね。でも、歌はずっと好き。歌が一番好きかな。

――歌を好きになったきっかけはありますか。
長江:
気づいたら好きでしたね。母親が地元ののど自慢大会で優勝するくらい歌がうまくて。事務所に入ったのも母親の影響だし、母のおかげでずっと歌が身近にありました。
佐奈:
初めて人前で歌ったときのことって覚えてる?
長江:
9歳とか10歳の頃かな。事務所の人に歌を聴いてもらうために、初めてCDを買って練習しました。GReeeeNの「キセキ」でしたね。

――佐奈さんが初めて買ったCDはなんでしょう?
佐奈:
くずの「全てが僕の力になる!」is.
長江:
懐かしい~!
――番組の企画で宮迫博之さんと山口智充さんが結成したデュオですよね。くずがお好きだったんですか?
佐奈:
実は当時、僕はそこまで音楽に興味がなくて……。ビヨンセが大好きな姉に連れて行かれたCDショップで、姉が買い物をしている間にブラブラしていたときに、一番キラキラしていてキレイなディスクを選んだらこれだったんです。
長江:
ジャケット買いみたいな感じで、ディスクデザイン買いしたんだ(笑)。
佐奈:
そうそう。大人になってからこの曲を知っていい曲だなと思いましたけど、当時は買うだけ買って聴いていませんでした(苦笑)。きれいだなって盤面を見て満足していました。

歌唱力抜群なふたりの音楽のルーツは、長江「東方神起」&佐奈「QUEENとお姉ちゃんの歌声」
――ではいったん、くずは置いておくとして……(笑)。聴きたくて買った初めてのCDやアーティストは覚えていますか。
佐奈:
CDはあまり買った記憶がないのですが、ずっと聴いていたのはQUEENです。お父さんがQUEENを好きで、車でずっと流れていたんですよね。体内に流れている音楽はQUEENからきている感覚があるので、QUEENは僕の音楽のルーツis.
長江:
QUEENとくずの振り幅がすごいね(笑)。
佐奈:
アハハ。あとはお姉ちゃんの影響で、「ひろくん、これ一緒に聴こう」と誘われて聴いていたビヨンセですね。
長江:
QUEENとビヨンセ! かっこいいなぁ。
佐奈:
あと、姉の歌声も僕のルーツですね。僕が思うに、姉は世界一歌がうまい。ガチで。姉の歌声はビヨンセの影響を受けていて、僕はその姉の歌声の影響を受けているので、僕の歌い方ってR&Bっぽさが入っているんですよね。自然とフェイクを入れて歌うのも、QUEENやビヨンセが体内に流れているからだと思います。

――長江さんの音楽のルーツはなんでしょう。
長江:
僕はK-POPが流れていますね。
佐奈:
へぇ~そうなんだ!
長江:
僕は東方神起さんが大好きで、全部のライブ映像を見たし、全楽曲歌えます! 韓国語の発音って、日本語よりも喉に負担がかかるらしくて、長く歌い続けるには喉をしっかりトレーニングしないといけないらしいんです。
佐奈:
じゃあその喉も?
長江:
そう。僕も喉だけはK-POP仕様になっています(笑)。

――では、青春時代の自分を形成した音楽を2曲ずつ教えてください。
佐奈:
ジャスティン・ビーバーの「ベイビー」と、ブラック・アイド・ピーズの「アイ・ガッタ・フィーリング」。これを一生聴いていましたね(笑)。昨日、この取材の準備をしながら久々に「ベイビー」を聴いたら、本当に色褪せない。一瞬で思い出とか風景が蘇ってきて、イントロで泣けました。
――それは高校生の頃ですか?
佐奈:
そうだと思います。あとはお姉ちゃんに教えてもらったネオン・トゥリーズの「アニマル」も好きでしたね。姉は当時「本物のビヨンセになる」とアメリカに留学していて。
長江:
え! めちゃくちゃかっこいいね。一度お姉さんの歌を聴いてみたいわ。
佐奈:
アメリカで最先端の音楽をプレイリストにして送ってくれたんですよ。その中で好きだったのが「アニマル」で、疾走感が本当に気持ちいい。僕は歌詞の意味を知らずに聴いていたのですが、帰国した姉に歌詞の意味を聴いたら、どうやらヤンチャなパーティーに行くぞっていう内容だったらしく……。それは聞かなかったことにしました(笑)。
長江:
僕はマイ・ケミカル・ロマンスの「ウェルカム・トゥ・ザ・ブラック・パレード」です。2006年の楽曲なのですが、本当に色褪せない。
佐奈: へぇ~、今度聴いてみよ。
長江:
ぜひアニメのオープニングだと思って聴いてみてほしい。僕は聴くと毎回、頭の中で『進撃の巨人』のエレンたちが立体機動で飛び交う映像が出てくる。それくらい躍動感がある曲で、僕はいまでも本番前にこの曲を聴いてテンションを上げています。マジでおすすめです!
佐奈:
あと1曲は?
長江:
X JAPANの「Rusty Nail」is.
佐奈:
おお、激しい。
長江:
中高生の頃、ずっと歌っていました。これも東方神起つながりで、チャンミンがライブのソロで「Rusty Nail」を歌うんですよ。しかも原曲キーのプラス2の高さで。これがもうかっこよすぎて! 僕も歌えるようになりたくて、朝から晩まで事務所のレッスンスタジオにこもって歌い続けていました。まさに青春の1曲ですね。

――先ほど、本番前に聴くというお話もありましたが、ほかにルーティンとして聴いている音楽や、気持ちのスイッチを入れたいときに聴く音楽はありますか。
佐奈:
僕は「アシタカせっ記」です。映画『もののけ姫』のサントラで、歌ではないのですが大好きです。先日、出演した舞台(地球ゴージャス『儚き光のラプソディ』)で、僕は戦地に赴く日本兵の役を演じたのですが、舞台に出る前に鏡の前で「アシタカせっ記」を聴きながら、ゆっくり敬礼をして。文字にするとちょっとおもしろくなっちゃうかもしれないのですが、あのメロディに合わせて敬礼をするとぐわっと気持ちが入るんですよ。これはまさに音楽の力ですね。
長江:
すごくわかる。僕はさっき挙げた「ウェルカム・トゥ・ザ・ブラック・パレード」もそうですが、この時期は久石譲さんの「Summer」を聴いています。
佐奈:
おお、(ここまで共通点はなかったのに)ここで久石譲さんがつながった(笑)。
長江:
聴き方にもこだわりがあって、劇場の最寄り駅に着いて、地上への階段を上がっていくあたりから流し始めるの。あとメイク中も絶対聴く2曲があります。まずメイクが始まったら、メイクさんに一言断ってから松平健さんの「マツケンサンバ」ね。その後に、藤井隆さんの「ナンダカンダ」を聴いて、聴き終わる頃にちょうどいい感じにメイクが完成するの。
佐奈:
好きな曲のジャンルがバラバラなんだね。僕は、メイクしてもらっているときが一番緊張するんですよ。
長江:
わかる!
佐奈:
じっとしているから緊張を発散できなくて。だから、僕はメイク中にディズニー映画のオープニングで流れる「星に願いを」を聴いて、ハッピーな気持ちになっています。僕は今から始まる素敵な映画のキャストのひとりで、その世界に溶け込むんだという気持ちで緊張を解していますね。
長江:
メイク中といえば、僕の十八番のネタがあって。たいてい何人か一緒にメイクルームに入るのですが、そこで僕の大好きなディズニーアトラクション「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」のBGM「コンパス・オブ・ユア・ハート」を流すんですよ。あの壮大なイントロが終わってAメロに入る瞬間に音楽を消して、僕がアカペラで歌って「お前が歌うんかい」というボケを必ずやります(ニヤリ)。
佐奈:
ちょっと今回の『アオペラ』ではやめてほしい(笑)。
長江:
いや、もう先に言っとくね。『アオペラ』の現場でも歌うので「お前が歌うんかい」のツッコミだけお願いします。
一同:
(笑)。

――すでにいろんなジャンルの楽曲が挙がっていますが、カラオケに行ったときに絶対に歌う十八番はありますか?
佐奈:
僕はオリジナル・ラブの「接吻」。日本で一番色気のある曲だと思っているんです。歌詞も最高だし、メロディも最高だし。僕はひとりで飲みに行くことが多くて、気分が乗ってきたら「接吻」を歌っています。
長江:
カラオケといえば、この前、リルハピメンバーで行ったの。(畠山)理温(四方 ルカ役)は予定が合わなくて4人だったのですが、僕はどうも人に合わせちゃうんですよね。周りの人が歌いたい曲を一緒に歌うことが多くて、十八番って難しい。基本は周りに合わせるけど、空気が停滞しているなと思ったら、「Rusty Nail」を入れます(笑)。
佐奈:
本当に好きなんだね。
長江:
そうなの。僕、本当に「Rusty Nail」だぁ~いすき!
佐奈:
アレン様が出てきちゃってる(笑)。僕はまったく逆で、全然周りに合わせないですね。宝塚歌劇団の「エリザベート -愛と死の輪舞-」を、ひとりで気持ちよく歌ったりもします。
長江:
これ、ちょっと座組みんなでカラオケ行きたいですね。
――それは見てみたいです。ぜひカメラを入れてほしいくらいです!
佐奈:
いいですね。宣伝担当さん、ぜひ企画よろしくお願いします!
一同:
(笑)。

アカペラの手応えはバッチリ!事前稽古で見えたリルハピ・FYA'M'、それぞれのカラー
――ここからは舞台『アオペラ』についてお伺いします。「アオペラ -aoppella!?-」という作品を知ったときの印象はいかがでしたか?
佐奈:
これ、「せーの」で合うんじゃない?
長江:
たしかに! いってみようか。
佐奈&長江:
せーの!
佐奈:
「平和」!
長江:
「ムズっ」!
佐奈&長江:
アハハ!
佐奈:
全然揃わなかった(笑)。
長江:
しかもだいぶ反対の内容だったね(笑)。

――佐奈さんは「平和」、長江さんは「ムズっ」とのこと。詳しくその理由を教えてください。
佐奈:
僕は原作の印象として、シンプルに「平和だな」と思ったんですよね。
長江:
僕はついつい自分が舞台版に出演するっていうことを考えて原作に触れたから、「(アカペラが)難しそう」というのが出てきちゃったけど……。原作の印象としては、確かに佐奈くんが言った通り、すごく平和だし、男子高校生のこの年頃にしかない青春の猪突猛進感とか未熟さとかがぎゅっと詰まっている作品という印象です。
佐奈:
『アオペラ』のメンバーたちって、熱いものを持っているし、壁にぶつかることも挫折することもあるけど、それを他人に向けないし、絶対に人を傷つけないんですよ。それを見ていると、涙が出てくるんですよね。「なんていい子たちなんだろう」「絶対幸せになれよ」「僕にできることあったら手伝わせてくれよ」みたいな。
長江:
最後に、おせっかいおじさんが出てきちゃってる(笑)。
佐奈:
あんないい子たちなんだから、そりゃおせっかい焼きたくなるよ! 少なくとも僕は、本当にこの子たちに幸せになってほしいって思いましたね。

――アカペラが難しそうという長江さんの言葉もありましたが、舞台稽古に先駆けてアカペラ練習が始まっているとお聞きしました。おふたりともアカペラは初挑戦ですか?
佐奈&長江:
初めてです。
長江:
本格的なアカペラ経験者は手島章斗くん(丹波 燐役)だけかな。あとはヒューマンビートボックスが得意な常盤みつるくん(深海 ふかみ役)がいるけど、アカペラに触れたことがないキャストがほとんどですね。だけど実際に一緒に歌ったりワークショップをする中で、「あなたたちならできると思っています」と考えてキャスティングをしてくださったんだろうということが、ひしひしと伝わってくるんです。すごく託されているのを感じていて。
佐奈:
それ、すごくわかる!
長江:
だからプレッシャーもあるけど……頑張ろうね!
佐奈:
「お任せあれ!」だよ。
長江:
ノリノリだね(笑)。

――実際のところ、初アカペラの手応えは?
佐奈:
手応えはかなり感じています! 初回の練習だけでかなりいいところまでいけたので、稽古を重ねれば、僕たちは際限なくどこまでも成長できるんじゃないかなと。
長江:
お互いの音がバチッとうまくハマったときに、相手が「何を思ってその音を出したのか」が一瞬でわかったことがあったんです。一瞬で心が繋がって、音を通してコミュニケーションを取ってる瞬間がすごく楽しかったし、これがアカペラの面白さなんだなと。この感覚がお客様にも伝われば、本当にこの作品を舞台としてやる意味みたいなものがあるんじゃないかなと思っています。
――グループ別で練習をしているとのことですが、FYA'M'のチーム練習の様子はいかがですか。
佐奈:
うちの子たちはいいですよ~。初めて集まってアカペラ稽古したのは5ヶ月くらい前かな? お互いに初めましてのメンバーばかりなのですが、「初めて全員で合わせるのに、このメンバーだとここまでできるの!?」と感動したくらい、めちゃくちゃよかったんですよ。その日の練習で歌った様子をボイスメモで録音してあるのですが、いまでもしょっちゅうその音源をツマミにしながら飲んでいて(笑)。
長江:
あ~、なんかその気持ちわかるかも。
佐奈:
アカペラって普通の音楽より、声の層がふわーっと広がって聴こえてくるからか、耳がすごく気持ちいいんですよ。音楽に酔える感覚があって。本当に初回からいい感じだったので、ここから先は満足しないことが肝になると思っています。さらに上を目指していかなきゃいけないから、僕は初回のボイスメモで満足している場合ではないなと(笑)。
長江:
自分に言い聞かせないとだ(笑)。
佐奈:
本当にそう(笑)。

――長江さん演じる鈴宮 壱は都立音和高校のアカペラ部部長兼リルハピのバンドリーダー、佐奈さん演じる是沢 舞斗はFYA'M'のリードボーカル担当と、どちらもチームの中心的存在です。やはりおふたりがアカペラ練習でもチームをまとめているのでしょうか。とくに佐奈さんはムードメーカーな印象がありますが……。
佐奈:
と思うじゃないですか。でも、案外そうでもないってことに気づき始めています(笑)。年齢的にも舞斗くんの立ち回り的にも、僕がまとめ役として動いた方がいいのかなと思っていたんですよ。だけど、初回の練習からみんなフレンドリーで、「仲良くなろう」と意気込まなくても、そもそも壁のない人たちだったんです。練習が終わった頃には、グループチャットも作ってくれていて。とくにゆづ(綾瀬 光緒役 星元裕月)が率先してそのあたりをやってくれていて、現状ゆづがリーダーです!
長江:
ゆづがリーダーなんだ!
佐奈:
ゆづの気遣いはすごいですよ。マジで人を見る目があって、分析力も高い。みんなが根っからのフレンドリータイプゆえに、わざわざ会う時間を作るタイプじゃないのを察知して、集まる機会をこまめに作ってくれて。今のFYA'M'を動かしてくれているのは、確実にゆづです! あとは宗円寺 朝晴役の内田将綺が意外に天然ムードメーカーかな。可愛がられる後輩気質なところを感じているので、カンパニーをいい雰囲気にしてくれそうです。
長江:
うちのチームはアカペラ経験者の章斗くんが、歌唱面は全面的に引っ張ってくれているので、全部お任せしています。僕はみんなが楽しくやってくれたらそれでいいと思っているから、とくに何もしていないです(笑)。でもね、うちのチームにも天然ムードメーカーがいまして……理温です。
佐奈:
あ~! やっぱり! クールに見えるけど、僕のボケにめちゃくちゃ爆笑してくれて、最初の印象と違うなって思っていたんだよね。
長江:
坂田(隆一郎)さん(猫屋敷 由比役)が理温とビジュアル撮影が同じ日で、その日、坂田さんはギターを持っていたんだって。そうしたら、理温が「めっちゃいいじゃないですか! 弾いていいですか?」って、坂田さんがメイクしている横で弾き語りを始めたらしくて。
佐奈:
アハハハ!
長江:
それくらいマイペースで、かわいいんですよ。まだ大学生で若いし。理温を見ていると、自分が大人になって、うまくやるための方法を身に着けたことを痛感するというか。今回の作品では、うまくやろうとすることよりも、理温のようにまっすぐであることが“正義”なんだろうなって思っています。

――最後に、おふたりにとって音楽はどんな存在ですか?
佐奈:
(決め顔で)血液ですね。
長江:
おお。かっこいい。いいね、血液。
――その心は?
佐奈:
青春時代の曲って体にずっと流れているじゃないですか。どこかでGACKTさんが言っていたのですが、音楽性は7歳までに形成されるそうです。僕、最近曲を作るようになったんですが、まさにその言葉通りで、自分が作る曲って意図せず自分が吸収してきた好きな曲に寄っていくんですよ。だから、音楽って血液のように巡るんだなと。あと、佐奈宏紀にとって音楽はないと死んでしまうくらい大切なものなので、やっぱり血液ですね。
長江:
僕はサンドバッグかな。役者をやっていると、僕らの仕事って0から1を作るよりも、どちらかというと1をどれだけ膨らませられるかの作業だなと感じるんです。でも、0から1を生み出すことにも興味があったから、僕も最近音楽を作っていて。いざ曲を書こうとすると、自分の人生観とか悩んでいることとか、自分の内側にあるものからしか歌を作れない。でもそれこそが、自分にしか作れない曲だと思うし、自分の素直な気持ちを吐き出してぶつけられる。そういう意味で音楽はサンドバッグだと思っています。


(執筆=双海しお、撮影=小川遼 、ヘアメイク=渡邉真夕)
舞台概要
舞台『アオペラ』
■Staff
原作:アオペラ -aoppella!?-
脚本・演出:元吉庸泰
音楽:桑原まこ
アカペラ監修:とおるす
主催:aoppella stage project
■CAST
都立音和高校 リルハピ
鈴宮 壱 役:長江崚行
丹波 燐 役:手島章斗
雁屋園 道貴 役:宮島優心(ORβIT)
四方 ルカ 役:畠山理温
宗円寺 雨夜 役:磯野 亨
私立奏ヶ坂中学高等学校 FYA'M'(フェイム)
是沢 舞斗 役:佐奈宏紀
綾瀬 光緒 役:星元裕月
紫垣 明 役:桑原 柊 宗円寺
朝晴 役:内田将綺
猫屋敷 由比 役:坂田隆一郎
深海 ふかみ 役:常盤みつる
都立音和高校 生徒会書記
辻堂 颯太 役:眞嶋秀斗
ほか
■公演時期
2024年11月8日(金)~11月17日(日)
■会場
東京・シアターH https://theater-h.jp/
■チケット チケット価格:11,000円(税込/全席指定)
プレリクエスト先行(抽選)
https://l-tike.com/aoppella-stage/
申込受付期間:9/10(火)12:00~9/17(火)23:59
一般発売(先着)
https://l-tike.com/aoppella-stage/
10/5(土)12:00~
■公演に関するお問い合わせ マーベラス ユーザーサポート https://www.marv.jp/support/st/
営業時間 10:00~17:00(土日祝日休業日を除く)
※営業時間外にいただいたお問い合わせは翌営業日以降のご返信となります。
■チケット・受付方法に関するお問い合わせ
ローソンチケット https://faq.l-tike.com/
舞台『アオペラ』公式HP https://www.marv.jp/special/aoppella-stage
舞台『アオペラ』公式Xアカウント @aoppella_stage
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