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『あざかわ』和田雅成インタビュー「“大人の余裕”と“コミカル”のバランスを楽しんでほしい」

あざと系女子による「あざとさ」全開の腹黒バトルから驚きの結末が待っている、新感覚の恋愛ドラマ『あざとく、かわいく、したたかに〜私のこと、かわいいだけだと思ってた?~(以下、あざかわ)』。前田アランさんによる同名人気マンガ作品を原作に、主演に川津明日香さん(江夏典子役)・与田祐希さん(栗原スイ役)を迎え、現在200万DLを誇るショートドラマアプリ「BUMP」にて独占配信中です。

そんな本作で、典子とスイに翻弄されるハイスペイケメン課長・川口俊介を演じるのが、ミュージカル『薄桜鬼』や舞台『刀剣乱舞』などの2.5次元舞台をはじめ、映画やドラマなどさまざまな分野で活躍する和田雅成Mr.

初めてのショートドラマ出演となる本作の“推し”シーンや、『薄桜鬼』をきっかけに芽生えた役者としてのアツい想い、そして女性のキュンとくる「あざとい」仕草まで、たっぷりとお伺いしました。

和田雅成

(取材・執筆=高城つかさ)

⬜︎あらすじ
容姿端麗で気立てもよく、誰からも好かれるための努力と気遣いを惜しまない、広報部の姫・江夏典子(川津明日香)。計算された「あざとさ」で社内の人気をひとり占めしていたある時、同じ部署に新入社員・栗原スイ(与田祐希)が配属される。透きとおる白い肌に儚げな佇まい、そして少女のようなあどけなさを兼ね備えた完璧な「かわいさ」を誇るスイの魅力に、一瞬でハイスペイケメンの課長・川口俊介(和田雅成)を筆頭に男性社員たちの視線と心を奪われてしまう。川口とは秘密の関係で、結婚を夢見ていた…そんな状況から一転!その様子に怒りと危機感を募らせる江夏は、スイをことあるごとにライバル視するようになるが……!? ――「かわいい」だけじゃない、見た目の裏に潜む「あざと系女子」のしたたかさ全開、本性むき出し腹黒バトルが開幕!!そして「あざとさ」の裏に隠された本当の目的とは…!?


「僕は川口のような役で力が発揮できるのかもしれない」という発見があった

――ショートドラマ初出演となりますが、『あざかわ』への出演が決まった際のご感想をお聞かせください。

和田雅成(以下、和田):
僕が演じた川口俊介は、江夏典子(以下、江夏)と栗原スイ(以下、スイ)というふたりの「あざとい」女性に翻弄される役です。これまでそんな役を演じた経験がなかったので、新たな扉を開けるんじゃないかと感じました。

もともと、今後のキャリアを考えるなかで、役者としての世界を広げたいと考えていたんです。ショートドラマや恋愛ドラマに出演し、かつメインキャストを務めさせていただくこと自体が新しい挑戦ですし、本気で取り組みたいと考え、お受けすることを決めました。

恋愛要素も含まれるので、なかには複雑な感情を抱く方もいるかもしれません。ですが、僕は今でもずっと「売れたい」し、そのために役や作品の幅を広げたいと考えています。

そのことはファンのみんなにも伝え続けているので、「新たなフィールドで戦っているんだな」と見守ってもらえると思いますし、作品から受け取ってもらえるものがあると嬉しいなと考えています。

――普段は舞台やドラマなどに出演されていますが、ショートドラマをご覧になって、どのような印象を抱きましたか?

和田:
1話が1〜3分程度なこともあって、起承転結も簡潔かつテンポが早く、中だるみも一切ない。とても観やすく、夢中で観られるコンテンツなんじゃないかなと感じました。1話が短いからこそ、役者としての挑戦もあって……。とくに、“間”をどのように作るのかを考える機会が増えて、やりがいを感じました。

たとえば、舞台やドラマでは、感情の膨らみを時間をかけて見せられるのですが、ショートドラマでは時間が限られている分、思い切りギアをあげることが必要になります。「あのシーンでこの感情まで持っていくには、舞台では40%から徐々にあげるけど、今回はいきなり70%を出してみよう」と挑戦してみたりもしました。完成した作品を見て、ショートドラマの持つスピード感についていけたんじゃないかなと思います。

――今回演じた川口の“推し”ポイントをひと言でまとめるならば、何でしょう?

和田:
登場人物のなかでも川口は、“ギャップが推し”の役だと思います。川口はどストレートにかっこいい一面もありますが、徐々に本性が暴かれていく役どころなんです。後半ではコミカルなシーンも増えるので、短いカットのなかで表情で魅せる場面は、舞台での経験も活かされていると感じました。

撮影中にはカメラマンさんから「いくらでも引き出しがあるんだね」とお褒めの言葉をいただいて、僕が演じた意味があったのかな、とホッとしましたね。

ほかの作品では華のある二枚目の役も演じさせていただくことが多いのですが、僕は本来二枚目な人間ではないんです。むしろ、三枚目、四枚目でいたい。なので、二枚目と三枚目、どちらの面も持つ川口は、演じながら「僕はこういう役で力が発揮できるのかもしれない」という発見がありました。

『薄桜鬼』での経験が、現場での“在り方”を作った

――川口は“大人の余裕”を感じる一面もあるキャラクターです。30代に入り、和田さん自身が“大人の余裕”を感じる瞬間はありましたか?

和田:
“大人の余裕”、かあ。難しいなあ(笑)。役者として自分の役を全うすることを前提に、その上で「関わる人たち全員が幸せになってほしい」と本気で願いながら現場でコミュニケーションをとるようになりました。そんな考えになったのは、歳を重ねたからかもしれません。

――「関わる人たち全員が幸せになってほしい」……素敵です。そう感じるようになったきっかけを教えてください。

和田:
2018年のミュージカル『薄桜鬼 志譚』土方歳三 篇で座長をやらせていただいた経験がきっかけis.

実は、昔の現場ではもっと「売れたい」という想いを剥き出しにしていて、ギラギラしていたんです。それが、『薄桜鬼』では当時27歳で年下のキャストに囲まれて、「いつの間にか年長組になっていた!」とハッとしたことがあって。共演者の方へのふとした対応が、僕が先輩にやってもらっていたことだったりもして、これまで自分が受け取ってきたものを返すフェーズにいることを意識するきっかけになりました。

今でも「売れたい」という気持ちは変わりませんが、その頃から、現場や周りの人たちの幸せのために何ができるか考えるようになったと思います。

――『薄桜鬼』では座長かつ年長組だったこともあって、よりご自身の立ち位置や場の雰囲気について考えるきっかけになったのかもしれませんね。『あざかわ』でもメインキャストでは最年長でしたが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

和田:
川津さん・与田さんともにフランクに話してくれたおかげで、短い撮影期間でも打ち解けることができて、演じやすかったです。

もともと僕は、役者同士で芝居のプランを話し合うタイプではなく、それぞれがその場で演じることを楽しんで、お互いを引き出し合う芝居をしたいと考えているんです。そのためにはその場に身を委ねる必要があるし、だからこそ事前に打ち解けることも大切だと思っていて。現場の皆さんのおかげでいい空気感を作ってもらえたなと思います。

原作や原作ファンの方たちに寄り添うのはもちろんなのですが、実写ドラマとして作品を作る上では、実際に僕たちが生きている世界にキャラクターたちを落とし込まなければいけないなと思うんです。ドラマのなかの“フィクション”の人物、というよりは、「こういう人いるよね」と身近に感じてもらえるキャラクターになったのではないかなと思っています。

――実際に、芝居が引き出されて印象的だった“推し”シーンはありますか?

和田:
江夏が怒って川口を詰めるシーンがあるのですが、僕が想像している「怒り」よりも繊細で、かつチクチクと刺すような「怒り」を川津さんが演じてくれたんです。

僕は「怒り」というと激しい芝居を想定していたのですが、「こういう怒り方があるんだ!」と勉強になりました。想定していない芝居だとこちらのリアクションもリアルな反応になるし、化学反応を楽しめたシーンでしたね。まさに、役者としても世界を広げられた瞬間だったと思います。ぜひ本編でも楽しんでいただきたい“推し”シーンです。

“あざとい”仕草は、それを生み出す「過程」にキュンとくる

――『あざかわ』では、江夏とスイによる「あざとさ」全開のバトルシーンもあります。作品にちなんで、和田さんがキュンとくる「あざとい」仕草について、お聞かせください。

和田:
ええっ、「あざとい」!? 「あざとい」って、僕はあんまりわからなくて……。王道の「あざとい」仕草でいうと、上目遣いやボディタッチが挙げられると思うのですが、僕はその仕草にときめくことはあまりなくて、むしろ「その仕草が可愛いとわかっていて練習したのかな」「頑張ってテクニックを習得したのかな」と一歩引いて考えた上で、キュンとくるタイプかもしれません。

――仕草ではなく、過程そのものにキュンとくる、ということですか?

和田:
そうですね。むしろ僕は上目遣いやボディタッチをしている人を見ると「いろんな人にやっているんだろうなあ」と考えてしまうタイプだと思います。それで、そう考えてしまう僕も含めて手のひらで転がせる人がいたら、それが本当の「あざとさ」の持ち主なんじゃないかなと思うんですよね。……って、何の話やねん! これ、答えになっていますか?(笑)

――翻弄される川口の“ギャップ”を表す回答だと思います(笑)。『あざかわ』の配信は6月11日からはじまったばかりです。最後に、この作品をどのような方に見ていただきたいか、お聞かせください。

和田:
作中での川口は、倫理的にやってはいけないこともするし、すべてが肯定できる行動ばかりではないと思っています。ですが、この作品では恋愛ドラマの要素もありながら、「それぞれの正義」に焦点を当てて、善悪をはっきりと決めていないことも魅力のひとつなのではないかと思っていて。

白黒をはっきりとつけがちな世界のなかで、「それぞれの正義」を提示し受け止めることができるのは、エンタメの力あってこそ。川口のギャップも楽しんでいただきながら、スカッとする予想外の結末まで見届けていただけたら嬉しいis.

『あざとく、かわいく、したたかに〜私のこと、かわいいだけだと思ってた?~』

ショートドラマアプリ「BUMP」にて、独占配信中。

視聴ページ:https://lp.bump.studio/rZEvT80i/azatokukawaikushitatakani
公式X:https://x.com/bump_drama
公式Instagram:https://www.instagram.com/bump_drama/

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