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特撮出身・駒木根葵汰が「一流俳優になる」と確信したワケ。『新・暴れん坊将軍』に抜擢、BLドラマでの新境地で感じた彼の素質

松坂桃李、竜星涼、志尊淳…「スーパー戦隊シリーズ」で主演を務め、その後、俳優として大きな飛躍を遂げた俳優たちは数多く存在します。まさに「スーパー戦隊シリーズ」は、若手俳優たちの登竜門と言っても過言ではないわけですが、この2025年、ブレイクの兆しを見せている「スーパー戦隊」出身の若手俳優がいます。彼の名前は駒木根葵汰

「スーパー戦隊シリーズ」第45作である『機界戦隊ゼンカイジャー』にて主演を務めたことで知られていますが、現在、飛ぶ鳥を落とす勢いで様々な作品に出演しているのです。今回は、そんな駒木根さんのキャリアを振り返ると共に、その魅力に迫ってみたいと思います。

『駒木根葵汰 1st写真集 Key』(KADOKAWA)
『駒木根葵汰 1st写真集 Key』(KADOKAWA)

※2025.02.01に公開した記事を一部編集のうえ、転載しています


実力と幸運で憧れの「スーパー戦隊」主役に抜擢!

駒木根葵汰さんは、2000年1月30日茨城県生まれ。高校時代にSNSでそのイケメンぶりが大きな話題となり、芸能活動を開始。「きいた」の芸名でモデル活動を中心に活躍する傍ら、いくつかの映画やTVドラマに出演。

2021年には「スーパー戦隊シリーズ」第45作記念作品である『機界戦隊ゼンカイジャー』の主人公・五色田介人=ゼンカイザー役に抜擢されました。

『機界戦隊ゼンカイジャー 全力全カイブック 』(リブレ)
『機界戦隊ゼンカイジャー 全力全カイブック 』(リブレ)

駒木根さん自身、幼少の頃から同シリーズのファンであることを公言しており、中でも『百獣戦隊ガオレンジャー』のガオシルバーには思い入れが強いことを公言しています。そんな憧れの「スーパー戦隊」に出演するチャンスだと感じ、オーディションを受けたところ、見事に役を手にするという強運と実力の持ち主なのです。

『機界戦隊ゼンカイジャー』は、1人の人間ヒーローと4人のキカイノイドと呼ばれる機械生命体たちがチームを組んで、悪の組織「トジテンド」に立ち向かって行く斬新な世界観をテーマにしていた作品。歴代のシリーズの中でも異色中の異色と言える作風の中で、駒木根さんは主人公役を好演。ギャグ路線をひた走るストーリーラインの中でコミカルな芝居も見事に披露します。

様々なことで「世界初」になることを目指している介人はポジティブなキャラクター性を発揮しており、駒木根さんの自然体な演技が功を奏している印象を受けます。感情表現のコントロールが非常に巧みで、絶対に譲れないことが起こった際のスイッチの切り替わりも素晴らしい。キャリアにおいて初の大役とは思えないほどの実力を発揮しました。

史上初!「2年連続レギュラー」という偉業を成し遂げる

そして駒木根さんは、さらなる偉業を達成します。なんと!次作となる「スーパー戦隊シリーズ」第46作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』へのレギュラー出演も手にするのです。これは約50年続く「スーパー戦隊」の歴史を振り返っても前例のない史上初の2年連続レギュラー出演という快挙で、日本のヒーロー史に名を刻む出来事だったのです。

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機界戦隊ゼンカイジャーキャラクターソングアルバム』(コロムビア)
『機界戦隊ゼンカイジャー キャラクターソングアルバム』(コロムビア)

『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』での駒木根さんの役割は、主人公となる5人の戦士ドンブラザーズを陰ながら支える謎多き存在である五色田介人。役名は同じながら、キャラクター性は正反対と言って良い役柄であり、「喫茶どんぶら」という喫茶店のマスターで、喜怒哀楽の感情表現の無いクールなキャラクターです。

自らを「永遠のヒーロー」と名乗り、その存在自体が大きな謎に包まれています。変身後の姿も、もともとはホワイトが基調だったゼンカイザーに対し、ブラックを基調としたゼンカイザーブラックという真逆のスタイル。駒木根さんの少し声のトーンを落とした演じ分けも見事で、同じ俳優が演じているとは思えないほどの変わり様を魅せています。

役作りには、木村拓哉さんが主演した名作ドラマ『HERO』で田中要次さんが演じたバーのマスターからインスピレーションを得たと語っており、その演技への飽くなき探求心からは、すでに一流俳優の気質すら感じさせます。

2023年公開のVシネクスト『暴太郎戦隊ドンブラザーズ VS ゼンカイジャー』では、双方の五色田介人役で出演しており、その演じ分けに驚かされること請け合いです。

『25時、赤坂へ』はターニングポイントに。新境地を開拓

「スーパー戦隊シリーズ」以外にも活躍の場を大きく広げてきた駒木根さん。2022年には『イケドラ』と『商店街のピアニスト』の2作品で主演を務めました。

特に後者では、毎回異なるクラシック音楽をピアノ演奏するキャラクターを演じるにあたり、ピアノのレッスンを行いながら、ピアニストの姿勢なども研究。徹底した役作りを敢行したことから、実に説得力のある演技を生み出すことに成功しています。

翌2023年からは人気シリーズ『天狗の台所』シリーズにも主演。天狗の末裔である主人公を好演しています。そして、2024年は駒木根さんにとって大きな飛躍の一年となりました。

中でも特に評判が良く、大きな話題となった作品が、夏野寛子 原作によるBLドラマ『25時、赤坂で』。新人俳優と人気俳優の恋愛を美しく描いた同作で、駒木根さんは人気俳優の羽山麻水役を演じました。

黒髪で奥手な少年のようなイメージから一変、金髪で積極的なカリスマ俳優をしっかりと演じており、相手役の新原泰佑さんをリードしている印象が強いです。

様々な役柄を演じた経験を持っていた駒木根さんだからこそ、たとえ人気俳優という役どころであっても、驕りや嫌みの無い純粋な演技ができると同時に、どこか退廃的な雰囲気も漂わせることにも成功しており、俳優として新境地を開拓したと言えるのではないでしょうか。

特撮作品での印象があまりにも強かった筆者にとって、同作での役柄は衝撃的なものでしたが、ヒーロー俳優からの脱却を図るには、このくらい大きな変化を遂げないと、その後のキャリアに苦労することになるのかもしれません。

そういった意味でも、駒木根さんのキャリア形成においてターニングポイントとなった作品であることは言うまでもなく、演技幅を証明する良いきっかけになったと言えるでしょう。

時代劇から本格ドラマ…演技の振れ幅を魅せた2024年

打って変わって、夏原武と刃森尊 原作によるヤンキー漫画を原作とした『伝説の頭 翔』では、不良集団「グランドクロス」幹部メンバーの一人である丸川敦役に扮しました。金髪なのは『25時、赤坂で』と変わりないのですが、本作の駒木根さんは、まさしく“ヤンキー”と言えるような風貌で登場します。

そこまで見た目は変化していないのに、声色、表情、内面の掘り下げでここまで変化を遂げられるのは凄まじいこと。それだけキャラクターに対して向き合っている証拠だと思います。ヤンキーでありながらも、心優しい一面も併せ持ったキャラクター性を体現しており、終始、目が離せない存在でした。

その他にも、『君とゆきて咲く ~新選組青春録~』、松本清張ドラマスペシャル第一夜『顔』、『あなたの恋人、強奪します。』などで、時代や役柄に囚われない演技の振れ幅を魅せた一年となりました。ちなみに2024年はアクターズセミナーにおいても優秀な成績を残したということで、エランドール賞アクターズセミナー優秀賞も受賞しています。

なんと2025年は『新・暴れん坊将軍』への出演!

そんな駒木根さんの快進撃は、2025年になっても留まるところを知りません。

まだ年が明けたばかりだというのに、早くも新春から『新・暴れん坊将軍』への出演で大きな話題となりました。約16年ぶりとなる待望の新作において駒木根さんが演じたのは、物語のキーパーソンでもある小次郎役。

松平健演じる徳川吉宗の次男坊に当たり、文武両道、才能に溢れた子息。欲深き家臣に利用され、西洋銃に魅せられてしまうという役どころは、劇中でも一際目立った存在でした。普段あまり目にしない“髷姿”を披露してくれたわけですが、これがまた非常に絵になる。

どんな格好をしていても絵になるところは、将来的なカメレオン俳優としての素質を大いに感じさせる次第であります。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

今後の活躍が期待される若手俳優・駒木根葵汰さん。まだまだ年齢も若く、これからの俳優さんですが、すでに経験値だけで言ったらベテランクラス。

ヒーローからヤンキー、果てはBL、時代劇までこなす、その演技幅も申し分なく、筆者は勝手ながら、かつて映画『ブロークバック・マウンテン』や『ダークナイト』などで活躍したオーストラリア出身の名優ヒース・レジャーと重ねてしまっており、「令和のヒース・レジャー」と呼んでしまっております。

それほどまでに将来を期待させる演技力で、カメレオン俳優としての未来に期待を抱かせる俳優なのです。

(執筆:zash)

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