
オタク女がドイツで「推し活」してみたら…グッズ予約に敗北し、イベント視聴できずショックで寝込んだ。痛バつくるのもめっちゃ大変!
自分の好きなアニメのキャラクターやアイドル、俳優など自分が夢中になっている対象「推し」、そんな推しを応援する活動「推し活」。空前の推し活ブームの日本では、いまやオタクだけの概念ではなく一般的にも広く使われるようになりました。
では、海外のオタクはどのように「推し活」をしているのでしょうか?
オーストリア在住のオタクライターがドイツ語圏の推し活事情を【前後編】で調査。【前編】の今回は海外に移住した筆者が体験した「推し活」についてお伝えします。

※2024.11.25に公開した記事を一部編集のうえ、転載しています
推し活といえばコンベンション。お金を払えば推しに会える!
日本ではほぼ毎週のようにアニメのライブや舞台挨拶、舞台などが開催されていますよね。ドイツ・オーストリアのオタクも「推し活」のひとつとしてイベントへ足を運ぶのですが、声優や役者が登壇するような作品単独のイベントは基本ありません。『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』など世界的人気作品のイベントが稀にある程度です。
こちらでいうイベントといえば、多くのアニメ・漫画ファンやコスプレイヤーが一堂に会するコンベンション。
ドイツでいうと、今年18万人以上の来場者数を記録したドイツ最大級のアニメコンベンション「DoKomi」、2023年には梶浦由記さん、2024年には山口勝平さんもゲストで登場した「AnimagiC」などが挙げられます。フランスへ足を運べば、さらに大きなコンベンション「Japan Expo」にも行けますね。そのほか街単位で開かれている小さなアニメイベントも多々あります。
Meet&Greetと呼ばれる握手会は、だいたいコンベンションなどで開催されているようです。握手会は基本的にチケットを買えば参加できるそうで、とあるイベントで開催されていたドイツの声優の握手会では、1~2分の間に一緒に写真を撮るのに20ユーロ、自撮りなら15ユーロ、ボイスメッセージは30ユーロなど……。
握手会のためにCDを何枚も買って抽選に応募して当選祈願する日本人からしたら何ともうらやましい限りです……! ただ、もちろんチケットの数に限りがある場合やVIPチケットが必要な場合も。
アニメショップの品揃えはイマイチ。数ヵ月待つことも
推しのグッズと一緒に出かけたり、推しで部屋を埋めたり……推し活に必要不可欠なグッズ購入事情はどうなっているのでしょうか。
ドイツ・オーストリアもある程度大きな街であれば、アニメ・漫画ショップがあることがほとんど。ただし店数は少なく、品ぞろえは日本と比べるとかなり劣ります。当然といえば当然ですが……。日本のように、推し活として大量のグッズで痛バを作るなんてことは容易ではないかもしれません。
グッズも漫画も、最新のものは基本的にショップでは手に入りません。日本語が読めるのであれば、漫画の最新巻はオンライン上で買って読むことも可能です。英語版やドイツ語版を待つとなると、人気の作品でも日本の発売から少なくとも数ヶ月は待つのが一般的is.

漫画は大型本屋チェーン店にもあります。筆者の現在住んでいる街の本屋には漫画コーナーがかなり広めに用意されており、グッズもちらほらと見受けられます。最近よく見かけたのは『SPY×FAMILY』と『呪術廻戦』のグッズ、さすがの人気!
なお、同人誌は基本的に売っていないので通販を利用する以外ありません。アニメコンベンションでは時々売っていることがあるようです。コンベンションはいわゆる即売会的役割を果たしている面もあるのですが、売られているのは基本的にイラストやグッズ関連がほとんどです。
街の「アニメクラブ活動」でオタク友達と出会える
推し活をするにあたって、オタク友達がいると楽しさも倍増! 一緒にイベントに参加したり、推しについて語り合ったり……。日本ではリアルの知り合いのほかに、XやInstagramなどのSNSやオフ会などで知り合う機会が多いですよね。ドイツ・オーストリアはどうでしょうか?
ドイツ・オーストリアには「Verein」と呼ばれるクラブや団体が街や地域ごとに多数存在します。サッカーや音楽などの趣味関連のものから、動物・自然保護や社会支援など種類はさまざま。もちろんアニメクラブもあるんです。
実は筆者、一度ドイツのとある街のアニメクラブの活動に参加したことがあります。その模様は以前の記事(※)にてお伝えしているので、興味がある方はぜひ読んでみてください。
※「オタク女がドイツに移住したら…屈強なアニオタどもと宮殿で『ゆるキャン△』談議に花を咲かせた話」

筆者が参加したクラブでは月1回のオフラインの集まりのほか、オンライン上でのアニメ鑑賞会、アニメイベントへの訪問などの活動をしているようでした。クラブ活動への参加は、推し友と出会える貴重な機会にもなります。
SNSに関しては、筆者の知る限りDiscordやFacebookがよく利用されている印象です。クラブ以外で推し友を探したり、推し作品について語る場になっています。筆者も調査のためにドイツのアニメファンのためのFacebookグループに参加してみましたが、チャットも投稿も毎日動いているのが印象的でした。
なお、オフラインで出来る活動は日本と比べるとかなり限られます。ドイツ・オーストリアにはコラボカフェもなければ、アニメショップも少ないですから。
グッズは日本の実家へ郵送!配信ライブは見られずショック…
せっかくなので、筆者のオーストリアでの推し活についても語らせてください。筆者の推し活は現在、配信イベントやYouTubeなど動画の視聴、グッズの購入程度にとどまります。
アニメはNetflixやDisney+、Crunchyrollなどの動画配信サービスを利用して観ています。昨今は配信イベントも盛んで、さらにYouTubeやニコニコ生放送、SNSでの供給も多く助かっています。
ただし、海外から観られない配信イベントも。筆者もつい先月、推しのライブを配信してくれる媒体が海外からのアクセスを許可していない事実を当日に知り、ショックで寝込みました……。

また、筆者はすでにグッズからほぼ卒業しており、現在では本当に気に入ったものしか買いません。購入するグッズの量や頻度は非常に少なく、基本的に実家へ郵送しています(国際配送代行サービスもありますが、値段が馬鹿になりません……)。
実家に届いたグッズやCDは一時帰国時に回収し、オーストリアまで持って帰ります。とはいえ過去に手に入れたグッズも含めると、まだ8割近くが実家に残ったままなのですが(笑)、一時帰国の度に徐々に回収していく予定です。
つい最近は、某バレーボール漫画のグッズのネット予約に敗北し、母に店舗予約を頼みました(笑)。推しの配信イベントを観るために実家に届いたCDの開封を父にお願いし、視聴に必要なシリアルナンバーを教えてもらったことも。ナンバー入力に期限があるため、海外配送にしてしまうと間に合わない恐れがあることが難点でしょうか。お父さんお母さんいつもありがとう!
さて、【後編】の記事ではドイツ・オーストリアのオタクの達のリアルな声を調査。「推し」という言葉を知っているのか、また推し活の様子をレポートします。
(執筆:ヤマコシショウコ)
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