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生活費を削って推しに課金…健全な推し活と「依存」のボーダーラインは?【推しへの“愛”を心理学で解説 #5】

偏愛カルチャーWEBマガジンとして、さまざまなコンテンツの魅力を届けているnuman。本連載「オタクの心理学~推しを愛する心の裏側~」では、オタクが推し活の中でなんとなく感じている“心の不思議”を紐解きます。

危険な行動を取ってしまう心理や、推し疲れと消費の心理――そんなオタクの心の内を、オタク文化を網羅的に分析した書籍『オタク・スペクトラム : オタクの心理学的研究』の著者であり臨床心理士・公認心理師の山﨑尚彦先生のご知見を交えて紐解いていく本連載。今回は、「健全な推し活と依存のボーダーライン」について聞きました。

自分でも気付けなかった感情の正体や心の仕組みを知ることで、自身の推しへの向き合い方や、推し活をするうえでの注意点についてより深く理解できるはず!

<プロフィール>
山﨑尚彦(やまざき・なおひこ)
臨床心理士・公認心理師として、精神科臨床や学生相談など、主に医療・教育分野の臨床に携わる。帝京大学医学部付属病院脳神経内科にて高次脳機能障害の研究に従事し、東京藝術大学・関東学院大学などで非常勤講師も務めつつ、筑波大学大学院人間総合科学研究科ヒューマン・ケア科学専攻3年制博士課程を修了。

■『オタク・スペクトラム : オタクの心理学的研究』
(山﨑尚彦/福村出版)

定量的データと膨大なコンテンツ紹介でオタク文化を網羅的に分析する。心理臨床支援にも役立つオタク論。■公式HP

渇望・離脱・耐性・生活への支障…“依存”を見極める4つの基準

――推し活に熱中するあまり、気付けば生活や気持ちが苦しくなってしまう人も少なくありません。健全な推し活と、危険な「依存」との違いはどこにあると考えられますか?

山﨑尚彦(以下、山﨑):
「依存」は、正式には精神医学では「嗜癖(しへき)」と呼びますが、特徴としては主に4つあります。

1つ目は、特定の物事を強く求めてしまう「渇望」。2つ目は「離脱」という、対象から離れると生じる心身のネガティヴな反応。3つ目は、同じ量の刺激では満足できなくなっていく「耐性」。そして最も重要な4つ目が、その状態によって「どれだけ日常生活に支障が出ているか」です。

これを推し活における具体的な行動に当てはめるとするならば、周りに認められたい一心でグッズを購入するなどの消費行動をしたくなること(渇望)や、他者からの賞賛が得られないと自分らしさを感じられなくなること(離脱)があり得ます。そして今までと同じ量のグッズを買うだけでは満足できず、消費行動がエスカレートしていき(耐性)、普通の生活が送れなくなる……といったかたちで、嗜癖の基準に当てはまるケースが考えられます。

“健全な推し活”と“依存的な推し活”を見分ける1つの目安として、ご自身の「推す」という行為がこれらの基準にどれほど当てはまっているか、一度客観的に見つめ直してみると良いかもしれません。

――生活費を削ってまで推し活に没頭したり、目的もなく同じグッズを何個も買ってしまうケースも、まさにそうした嗜癖のあらわれと言えるのでしょうか?

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