
なぜ『忍たま乱太郎』土井先生は初恋キラーなのか。カカシや五条悟との共通点やその魅力を探ってみた
12月20日より公開される映画『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』。NHKの人気アニメ『忍たま乱太郎』シリーズの登場人物・土井半助の小説版人気エピソードを映像化したものとなります。
土井先生といえば優しくて格好良くて、世の女児たちを虜にしてしまう「初恋キラー」の異名の持ち主。現代でも大人向け女性雑誌で表紙を飾ったり、「初恋したアニメキャラと言えば?」でも必ず名前が上がるほどの人気っぷり。
なぜ土井先生は「初恋」を奪ってしまうのでしょうか? また、“先生キャラ”に惹かれる理由を探っていきます。

※2024.12.20に公開した記事を一部編集のうえ、転載しています
土井先生は、女児が初めて出会う“年上のお兄さん”キャラだった
『忍たま乱太郎』といえば、NHK系列で夕方に放映している長寿アニメシリーズ。『おかあさんといっしょ』などの子ども向け番組に続けて放映されていることから、未就学児から大人まで、幅広い年齢層のかたが視聴することが想定されています。
小さい子どもにとっては乱太郎・きり丸・しんべヱの三人組は同年代ですが、土井先生は「年上のお兄さん」。『忍たま乱太郎』を通して、初めて土井先生という「年上のお兄さん」キャラに出会ったという経験のあるかたも多いのではないでしょうか。
ただでさえ子どものころに出会う「年上のお兄さん」には強烈なフィルターがかかりがちです。子どもっぽい(自分も子どもなのに)同年代の男の子たちよりも、大人で余裕があって優しく見える「年上のお兄さん」は、精神年齢の高い女の子たちにとって魅力的じゃないわけがありません。
そんな時代に初めて出会う「年上のお兄さん」。毎日無邪気に『忍たま乱太郎』を楽しんでいるうちに、憧れから初恋に...なんてのは想像に難くありませんよね。
大人になってからも「初恋は土井先生だった」と言う人が多いことからも、子ども時代に出会った土井先生の強烈な魅力は、年月が経ったとしても色褪せることのない記憶として刻まれているのだと思います。
優しいのはもちろん、少し抜けてるギャップに胸キュン♡
そしてただの「年上のお兄さん」だけじゃないのが土井先生。土井先生の優しくて頼りがいのある人柄も、女児の心をつかむ要素の一つです。
土井先生と言えば一年は組の担任教師。乱太郎たちに「教えたはずだあああ!」と怒鳴ったりする場面も多いですが、深夜に外で寝てしまったしんべヱをおんぶしてあげたりと生徒想いの優しい先生という印象が強いです。
背が高くてイケメンで、優しくて生徒想い...と完璧なように見える土井先生ですが、実は「練り物嫌いできり丸に食べさせる」「ストレス性神経性胃炎持ちで苦労人」「髪の手入れが雑」などちょっと抜けた部分も持ち合わせています。
いつもはきりっとしているお兄さんなのに、どこか抜けているというギャップ...「可愛い」には抗えないとよく言われますが、まさにそれを体現したような側面もあるのが土井先生なのです。
そんな「年上のお兄さん」に加えてギャップも持ち合わせているなんて、女児だけじゃなく全女性特効型のメロすぎるキャラクターといえるでしょう。土井先生が長年「初恋キラー」であると言われるのも納得です。今回の映画ではさらに違う一面を見せてくれそうなので、再び沼に堕ちてしまう人が続出するかもしれませんね。
実は豪族出身、天涯孤独…土井先生の悲しい過去に涙
『忍たま乱太郎』自体が幅広い年齢層のかたから愛されていますが、2010年頃から2.5次元のミュージカルが上演されていることからもわかるように、実は大人からも愛されるコンテンツ。子ども時代には意識していなかった設定やキャラクターが、オタク女子に刺さりまくりな一面も。
土井先生を少し調べただけでも「豪族出身」「天涯孤独」「孤児」「抜け忍」...など気になるワードの数々。これらを見るだけでも、土井先生が悲しい過去を背負っているのがなんとなくわかりますよね。
今回の『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』はそんな土井先生の裏設定がベースとなって物語が繰り広げられます。いつもの優しいお兄さんとは違う、冷たい一面を見せる土井先生に、あの頃の気持ちを思い出してさらにドキドキしてしまうかも!?
とはいえ、ほっこりするような裏設定もたくさんあります。
こちらは今回の映画を記念して公開された特別映像ですが、そのなかで土井先生は長期休暇中は、帰る家と家族がいないきり丸と共同生活を送っていることがわかります。
ただの一教師と一生徒の関係なのに、きり丸をそこまで気にかけて世話をする理由は、もちろん土井先生が独身であることや年が近いこと、面倒見が良いことなどが挙げられますが、何よりも一番の理由は「自分と境遇が似ているから」。
これは『忍たま乱太郎』第19シリーズの『土井先生ときり丸の段』で語られています。戦災孤児であるきり丸と、同じく天涯孤独の身である土井先生が自分と重ねて見ているという事実に、つい涙が...。
『忍たま乱太郎』は長寿シリーズだけあって、裏設定が盛りだくさん。子どものころには気付かなかったけど大人になってから触れてみると、グッとくるキャラクターもいるのではないでしょうか?
これを機に、気になるあのキャラクターにどんな設定があるのか……少し触れてみるのも良いかもしれません。
年上のお兄さん、かつ先生キャラは「初恋キラー」になりやすい!?
土井先生以外でも「初恋キラー」として挙げられがちな『銀魂』の坂田銀時や『名探偵コナン』の工藤新一、『ムーミン』のスナフキンなどはどれも「年上のお兄さん」属性。女児だった頃に「年上のお兄さん」で優しくて格好良かったら、それはもう魅力的に映ること間違いありませんよね。
落ち着いてて面倒見が良くて少しクールで、でも自分だけには優しい...全体的に見てそんなキャラクターが「初恋キラー」とされることが多いように感じます。

そしてこの「年上のお兄さん」と親和性があるのが「先生」という肩書。
先生という肩書があるだけで、小さい子でも「年上のお兄さん」であることが即座に認識できます。さらにそこには、職業柄「面倒見が良い」という性格も付与されがちなので、まさに「初恋キラー」として理想的なキャラクターといえるでしょう。
そして先生という立場上、自然と子どもたちと触れ合う場面が多くなるため「自分(子ども)にもきっと同じように接してくれるんだ!」とより身近に感じることが多いため、先生キャラには初恋キラーと呼ばれる人が多いのでは。
その証拠に『地獄先生 ぬ~べ~』のぬーべーや『NARUTO』のカカシ先生やイルカ先生も「初恋キラー」として根強い人気を誇っています。いずれはここに『呪術廻戦』の五条悟も入ってくるのかも...。

「年上のお兄さん」の象徴的存在となる先生キャラ、そしてその中でも代表的な『忍たま乱太郎』の土井先生。過去に『忍たま乱太郎』のなかで行った人気投票では、土井先生が一位を獲得しています。主役エピソードが映画化されてしまうほどの人気っぷりは、すさまじいものがありますね。
そんな「初恋キラー」として長年の根強い人気を誇る土井先生。映画では土井先生になにやら不穏な雰囲気を醸し出していますが、一体...!?
過去に土井先生が好きだったかたはもちろん、そうでないかたも必見の映画『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』は本日より全国の映画館にて上映開始です。
(執筆:宮本デン)
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