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推しを愛する気持ちには3段階ある?「セレブリティ崇拝」に陥る心理とは【オタクの“あるある”を心理学で解説 #3】

偏愛カルチャーWEBマガジンとして、さまざまなコンテンツの魅力を届けているnuman。この度、オタクが推し活の中でなんとなく感じている“心の不思議”を紐解く新連載、「オタクの心理学~オタクの“あるある”を解き明かす~」をスタートします。

「なぜ推しに惹かれるのか?」「この感情の正体は何なのか?」――そんなオタクの心の内を、臨床心理士・公認心理師である二宮有輝先生の視点で紐解いていく本連載。今回は、推しに対する「好き」という感情について聞きました。

自分でも気づかなかった感情の正体や心の仕組みを知ることで、毎日の推し活がさらに楽しく、味わい深いものになるはず!

<プロフィール>
二宮有輝(にのみや・ゆうき)
臨床心理士・公認心理師/名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 講師。学生相談や公立中学校の常勤スクールカウンセラーでの勤務を経て現職。主に青年期の精神的健康およびwell-beingに関わる諸現象などについて研究を行っている。

推しへの愛がエスカレートする「セレブリティ崇拝」

――推しに対する「好き」という感情には、純粋に「ビジュアルがかっこいい」と惹かれる段階から、究極的には「推しにすべてを捧げたい」と思い詰めるような状態まで、さまざまな深さがあると思います。心理学的に、こうした感情の段階は定義されているのでしょうか?

二宮有輝(以下、二宮):
一般的な心理学用語としては思いつきませんが、海外の「セレブリティ崇拝(※)」という概念の中に、推しへの感情を3段階で示すモデルが存在します。

※特定の有名人やアイドル、キャラクターなどに対して強い愛着や没入感、依存的な感情を抱く心理状態のこと。「セレブリティ ウォーシップ(Celebrity Worship)」とも呼ぶ。

段階としては、最初は仲間と一緒に娯楽としてファン活動を楽しむ「エンターテインメント・ソーシャル(社会的娯楽)」から始まります。次第に推しのプライベートへの関心が強くなり、推しと自分が特別な絆で結ばれているような感覚が生まれる「インテンス・パーソナル(強烈な個人的執着)」という段階になるのです。そうして最終的には、推しと自分との境界がなくなる「ボーダーライン・パソロジカル(境界的・病的)」と呼ばれる状態になります。

「ボーダーライン・パソロジカル」というのは、例えば「もし推しから違法なことをお願いされたら迷わずやってしまうだろう」のように、自分の道徳観よりも推しのほうを優先してしまうような状態を指します。現実の生活でうまくいかないと悩んでいる人や、人生に不満や欠損を抱えている人が、そのようにどんどんのめり込んでいく傾向があると言われています。

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