
ガチ腐女子的「推しと恋する♡」BLコミック5選。『ピンクとまめしば』に赤べこぐらい頷いた…自担グッズ触られたらイヤだよね分かるよ!
私たちの人生を豊かにしてくれる、「推し」。いつどこで何をしていても、片時も忘れることができない唯一無二の存在と言っても過言ではありません。11月4日の「いい推しの日」を振り返るべく、numanでは推しを全力アピールする特別企画を実施中。
そこで今回は「推し」と恋するBLコミックを、ガチ腐女子ライターが5作品ご紹介します!
※2024.11.14に公開した記事を一部編集のうえ、転載しています
『推しのファンサがエロすぎです!』春路ON:変貌の振り幅がエグい!色んな意味で裏切られます

“木下 菫(きのしたすみれ)(32)は地味で目立たないアナウンサー。実は生粋のアイドルオタクである彼は日々オタ活に励んでいる。ある日、上司から急遽情報番組の地方ロケを命じられるが、ゲストはなんと現在最推しの榛名洸志(はるなこうし)だった!!榛名は現場でミスをした木下をさりげなく慰めてくれるイメージ通りのキラキラ好青年★幸せの余韻に浸りつつ、宿泊先のホテルでライブ配信を全力で楽しんでいると本物の榛名が訪ねてきて…!?”(コミックスあらすじより)
はるなきゅんの今後のご活躍を祈念して全力で光合成を行おうぞ…!!
【カップリング属性】アイドルグループ「Licht」のメンバー×アイドルオタクで地味なアナウンサー
表向きは笑顔が可愛く、裏では関西弁の俺様キャラの「リヒト」のメンバー榛名。榛名の大ファンである、アナウンサー・木下が、番組共演をきっかけに榛名に襲われてしまう冒頭にびっくらこきました。そしてキラキラしたアイドルの榛名は実はバキバキの攻。外ヅラは可愛くてキラキラした榛名の、木下との初仕事では物凄くいい人なのにその後の変貌ぶりは振り幅がエグい展開! ストーリーの早い段階で、色んな意味で裏切られます。
また地味メガネで存在感薄めのアナウンサー木下の最推し・四人組アイドルグループ「リヒト」はメンバー全員の名前に光り輝く意味の文字があり、ドイツ語で光を現わすグループ名。リヒトファン通称“リヒター”は自分たちを光を求める「植物」と例えてライブ参戦や推し活のことを「光合成」と呼ぶなど世界観が濃すぎて面白しんどいのですが、宿泊地方ロケで同じホテルになった木下は、憧れの推し・榛名が前のめりガッツリ肉食モードでくるとも知らずにライブ映像配信を鑑賞しながらペンライトを複数本、指の間に挟んでバルログ持ち。

「はるなきゅんの今後のご活躍を祈念して全力で光合成を行おうぞ!」とホテルの部屋でもブレません。その後おいしくいただかれることになろうとも予測もしていない、ピュアでまっすぐなガチオタ木下が健気で一途でキモくて最高です。
また、そんな木下に遠慮なく距離感を詰めてくる【本性丸出しの榛名】とギャンギャン揉めつつ現実と理想のギャップにとまどいながらも、いつしか心を通わせていく柔軟さもあり、その心理描写や、作中ではなぜアナウンサー木下が今の仕事スタイルになったのか、榛名が自グループのメンバーと言葉を交わしながらも“気づき”を得ていく様子も描かれしっかり追っているのでラブコメなストーリーでも物語に深みを持たせています。
さらに生真面目でメガネの地味キャラ木下が、推しグルであるリヒトのライブ参戦する際にはメガネオフのキラキラ変身姿も魅せてくれます。王道の展開ですが“ガチオタの日常姿”からの“メガネオフは美形”のギャップもぜひご堪能ください!
『強火ヲタ、推しとセフレになる。』めがね:ガチっぷりがオタクのお手本のような暴走で最高

“王子様系アイドルグループ・mellow crownのメンバー・透真(とうま)は、ワイルド系グループ・dishyのセンター・暁斗(あきと)の強火ヲタク。けれど暁斗は不祥事をきっかけに謹慎してからというもの、やる気のない言動を繰り返すばかり。以前のようなオラオラ営業を見たい透真は暁斗にやる気を出してもらおうと「…今のあなたはダサくて見てられません」と、楽屋を訪れて煽るセリフを口にする。怒る暁斗に、透真は咄嗟に「復活のための秘策がある」と言ってしまうが、暁斗はその「秘策」に乗ると言い出し、「褒美」にと透真を一方的にドロドロに抱いてくる。けれど強火ヲタを極めた透真としては推しに抱かれるのは不本意で…!?”(コミックスあらすじより)
推しを煽ったら――なぜかオラオラ溺愛されてます?!?!
【カップリング属性】不良アイドル×実は強火ヲタの優等生アイドル
まずは、めがね先生お得意の『メガネ受け』設定健在です。キラキラ王子様コンセプトのアイドルグループ・mellow crownのインテリ担当アイドル透真(受け)は自分たちと正反対のワイルドオラオラ系アイドル・dishyのセンター暁斗(攻め)の強火オタ。正反対アイドル同士の濃厚なラブがたっぷりの本作!
なにはさておき、透真の暁斗へ対するガチっぷりがオタクのお手本のような暴走で最高です。根っからのアイドルオタク透真は暁斗が何を話しても何をしても『推し尊い』ファーストになりがちで、エアペンライト、エアうちわを構えて崇拝してまんまと乗せられてしまうチョロさ。自らもアイドルにもかかわらず一般ファンにまぎれて握手会に参戦するなど抜かりはありません。
アイドルオタクではない方が本作を読めば“ドルオタ”の生態に詳しくなりそうなほど、こまごまとしたところまで描写が行き届いているので(もしかしてめがね先生も実はアイドルオタクなのでは…?)と思えてしまうこと間違いなし! ネタバレにはならないのであえて言うと暁斗のファンサにゴフッと吐血しバッタリ倒れてダイイングメッセージで“一億点”と書く、暁斗の身体を見て(レビュー☆五つ)、自身の裏垢でファンたちのつぶやきにいいねをポチりまくるなど、怒濤の勢いで暁斗を強火で推し倒しています。

そんなチョロオタなので暁斗が本来のオラオラ系が発揮できない事態を打破すべく“煽ってけしかける”作戦も早々にエロに持ち込まれ汁気多めな展開になりがち。甘々でとろけて我を忘れてしまいがちな透真、脇がガラ空きの激アマで心配になりましたが幸せそうなのでよけいな邪念は捨ててひたすら二人を愛でるほうが良さそうです…!
最初はキモオタ全開の透真をまともに相手にせず、都合のいいセフレ扱いをしていた暁斗ですがストーリーが進んでいくうちに変化が。本来ならばライバル関係の立ち位置でいなければならないはずの透真ですが、推しの暁斗・人気復活のために一生懸命に色々な策を考え、損得なく尽くしていくその先は――心から楽しめるラブコメとなっていますのでハピエン好きのBLファン必見の一作です。
『俺の最推しをキミに捧ぐ!』ハシモトミツ:特典目当てにフードファイト…オタクあるあるも満載

“罰ゲームで女装メイド喫茶に入店したフリーターのチヒロ。チヒロの担当についたメイドは、高身長&強面の男子、まこだった!!想像と違うメイドの登場に初めこそビビるチヒロだったが、まこの優しさや笑顔に触れ、あっという間にメロメロに。そのまま、まこ最推しオタへと急成長を遂げる!!チヒロの努力の甲斐あって無事両想いになったものの、まこが働くのは恋愛御法度の女装メイド喫茶。お店に内緒で付き合い始めた二人だったけれど——!?”(コミックスあらすじより)
筋肉あってタッパもあって全部最高!!超カワイイ!!!
【カップリング属性】イケメンフリーター×強面ピュアメイド
女装メイド喫茶を舞台にした、ハイテンションBL。だいたいいつもチヒロ(攻)がうるさいですがニコニコしながら読める、とても可愛くて楽しいお話です。どちらかというとリア充寄りだったチヒロがまこちゃん(受け)との出会いによってガチオタに進化していく過程も親近感がわいてホッコリします。
また、まこちゃんも女装メイドカフェで働いているものの、女性みたいな見た目だったり、きゅるるんと可愛い見た目ではなく、しっかり男の子なキャラデザ。作画の描き方も可愛いのですが、高身長で強面なまこちゃんがガッツリと胸板が厚くて、女装が似合わないさまもしっかり描かれている。
女装で女子とみまごう男子もいいけれど、少し笑っちゃうくらい似合わないけど、ちゃんとがんばってる男の子!というシチュエーションにも萌えます。そして男らしい見た目なのに、優しくてひかえめで一途な性格から何だか本当に可愛く見えてくるまこちゃんのホンワカした愛くるしさが良い感じです!
本作は第一印象で拒否っていたチヒロもまこちゃんの可愛さの虜になり、まこちゃんのために一流のオタクになるべくオタク道を明るく真っ直ぐに全力で走り抜けてまこ最推しガチ恋オタへと変化していく「ちーくん」の姿も見ていて清々しかったです。でも、あのまこちゃんのピュア可愛さは推すしかないので仕方がないとも言えましょう。
推し活初心者だったチヒロはベテランメイド・ゆめぴぴや、メイド喫茶常連客である「歴戦の猛者」たちから「オタクの在り方」をイチから伝授してもらうことに。チェキにもツーショットチェキ、ピンチェキなどさまざまな種類があること。推しメイドの生誕祭イベントでは豪華なフラスタ(フラワースタンド)を贈り設営すること、限定メニュー手に入る特別な“くじ”があること…。
特典を目当てに、腹パンになっても飲み食いし続けるという、推し活のなかでも身体を張る系のフードファイトをしたことのあるオタクにとって、あるあるエピソード満載です…! ポップなテンポでラブラブな“ちーまこ”カップルの成り行きを楽しく読み進められるオススメの一作です。
『【衝撃】推しの美容系配信者が客として来た結果、、、』うり:両片想いの恋模様がチグハグで笑える!

“コスメブランドのビューティーアドバイザーとして働くハルミは接客が下手で成績を伸ばすことができず思い悩む日々を送っていた。そんな彼が愛してやまないのは美容系動画クリエイターの榊(さかき)。彼の女装メイクやメンズメイク動画を見ながらヌいている自分にさらに自己嫌悪。ある日、店舗でハルミが見たのは自身の崇拝する榊。しかもタッチアップを希望される。最推しの唇にリップを塗る…人生最大の幸福に戸惑いと罪悪感を感じるハルミだが――!?”(コミックスあらすじより)
黙ってヤッてる俺と発言したお前とじゃモラリティが…こう…全ッ然違うんだよ!!!!!!!!!!!!!
【カップリング属性】こじらせ美容部員×美人動画クリエイター
ゲイの美容部員・ハルミが大ファンなのは美容系配信者で美人過ぎるおじさん榊。年齢や背景あたりはハッキリしないのですが、妖艶で人気もあります。ウキウキで新着動画を見ていたもののハルミは動画のコメント欄で「エロすぎ抜いた」と不適切発言を見つけてガンギレ!
実はハルミも榊さんの動画で抜いているのに、神格化しているので自己嫌悪に陥り、でも他人がエロい目で見るのは耐えられない。矛盾してますが推しをそんな目で見ないで欲しいお気持ちはお察しします。
その神として崇めている榊さんがタイトル通り、偶然ハルミの店に客として来店します。新色のリップをタッチアップすることになるのですが、このくだりでのハルミのパニックぶりは抱腹絶倒、腹がよじれるかと思うほど笑えます。「3Dの榊さんヤバイ」「VR榊さんじゃないか」「画質良すぎるなぜなら現実だから」やら現実に脳が処理仕切れないハルミの怒濤の“脳内ひとりしゃべり”がとにかくすごい分量です。超長文ですが多分めちゃめちゃ早口なはず。うり先生の手腕が発揮されたテンポの良い言葉が冴え渡ります。
ハルミの脳内の声が饒舌なのに、普段はコミュ障なキャラクターなところ、早口でまくし立てる場面の勢いは最高。キモいファン像を晒してしまい落ち込むハルミにさらなる追い討ちをかける同僚BAのキャラクターも面白すぎるので要チェック!

コスメという共通のコンテンツで意気投合した2人は、仕事を通じて少しずつ距離を詰めていきます。が、推しをエロい目で見ていることに後ろめたさを感じているハルミと、ちょっと様子がおかしいけれど真っ直ぐなハルミに好意を抱く榊との間で気持ちがすれ違っていく両片想いの恋模様がチグハグでまた笑えること間違いなし。
ハルミが榊信者すぎて色々と空回っているし、オタク過ぎて時々早口になったり突然泣き出したりと、情緒が安定しないところもまた爆笑。普段根暗なのにコスメと榊の話になると熱量がものすごい。榊の良さを榊本人に泣きながら訴えてる姿に、もはや榊もわかったわかったとなだめるなど、おかし過ぎて尊いです。
ハルミは自分に好意を抱いてくれている榊さんの気持ちには全く気付かず、情緒不安定な気持ちの乱高下を繰り返しながら仲良くなっていくのですが、榊さんが上手く誘導してあげなかったら、絶対恋愛まで発展出来なかったといっても過言ではないでしょう。動悸息切れ、オタク特有のひと息で語る早口と、ときめきの諸症状があふれ、爆笑しながら読めるハイテンションなラブコメディ作品です!
『ピンクとまめしば』倉橋トモ:自担グッズ触られたらイヤだよね、分かるよ!赤べこ状態で頷いた

“新任ホヤホヤの非常勤講師、御子柴健(みこしばけん)22歳。絶対に学校では言えないヒミツがあります…。それは重度のこじらせ系ドルオタということ(し、しかも男の///)!ささやかながらも萌えに満ちた日々を送っていたけれどその日は突然やってきた――!教え子にヒミツがバレ、その引きかえに犬扱い。まるでかいぶつみたいな教え子に振り回されて!?”(コミックスあらすじより)
今日から先生は俺の犬………俺のことしか見れなくしてやる
【カップリング属性】リア充イケメンかいぶつみたいな高校生×22年間恋人なし子犬みたいなドルオタ先生
本作ののちに続く倉橋トモ先生の大ヒット作品「ハローモーニングスター」の始まりのスピンオフ元ともなる一作。暗黒の引きこもり時代に、姉に連れられて初めて参加した男性アイドルグループ・L.PLANETのコンサート。メンバー・アツトにバーン!とハートを撃ち抜かれてときめいてしまって以来、人生を変えられ、すっかりエルプラオタクと化している高校の非常勤講師の柴ちゃんが主人公。
重度のドルオタを隠している柴ちゃんですが、とある事情でやさぐれヤンチャな同高校の生徒・黒川にバレてしまいます。それを黙っててもらう代わりに、「犬になれ」とちょっかいをかけられます。ネタバレを避けて言うなら、てっきりアイドルとして活動している高校生×アイドルオタクの非常勤講師かと思いきや、読み進めるとそっちだったか!と意外な展開ですが、そのちょっかいを出される時の柴ちゃんがめちゃくちゃ可愛いのです!
行きがかり上、黒川が柴ちゃん宅を訪れた際、部屋の中は推し一色! 恥ずかしがる柴ちゃんを尻目に祭壇やうちわやポスターだらけの室内に驚き、黒川の柴ちゃんイジりも絶好調。元ドルオタの身としては我がコトのように居たたまれない気持ちになりました…!
また、柴ちゃんが自担アツトのポスターやうちわ、写真を触られたあとに「折れ目ついてないかな?」と心配する場面は、首がもげるほど頷き赤べこ人形状態になりながら共感しました。柴ちゃん、自担グッズ触られたらイヤだよね! 分かるよ!

でも柴ちゃんはピュアで素直で押しに弱くて、怒ってもカドが立たない優しさがあるので黒川がからかいたくなる気持ちもわかります。そして、黒川も全然悪いやつではなく、根がいい子なんだというのがちょこちょこ垣間見えて胸キュン。二人とも可愛い!と思いながら読めました。飼い主と犬というより、大型犬と小型犬な印象。
とはいえ、派手なピンクの髪色のせいだけでなく、大人びたイケメンで何かと目立つ存在の黒川は学生とは思えぬ俺様っぷり。柴ちゃんを精神的にも物理的にも翻弄し、からかい、“かいぶつ”のような自由さで振り回しますが、お互いふとした瞬間に相手の内心を理解したり気遣ったりすることが増え、いつしか特別に大切な存在となり二人の心の距離は縮まっていきます。
黒川には、やさぐれてしまう諸事情があり、ここで言えないのが辛いところですが、それが判明したのちストーリー後半は大きく物語が動くのでぜひとも本作をご覧ください!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
上記5作品を「推しテーマBL」としてピックアップしてみました。思わず共感して頷ける作品や、新しいジャンルに沼れそうな作品、推し活をしたくなりそうな作品等々、BLからさまざまな推しジャンルを感じましょう。
(執筆:加藤日奈)
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