
菅田将暉、竹内涼真…5人の「平成2期ライダー俳優」から学ぶ成功術。それぞれの武器を活かして生き残る才能
若手俳優たちの登竜門「仮面ライダー」シリーズ。しかしながら、「仮面ライダー」に出演できたからといって、絶対にブレイクするという確証はどこにもありません。自らに宿る才能を知り、その個性を遺憾なく発揮すること。これこそが芸能界で生き残るための成功術と言えるのではないでしょうか。
では、「仮面ライダー」平成2期に主演した俳優たちは、自らに宿った個性と才能をどのように発揮してきたのでしょうか?
菅田将暉(『仮面ライダーW』フィリップ役)
マルチな才能:★★★★★
カメレオン俳優:★★★★★
「平成仮面ライダー」第2期の始まりを告げた作品『仮面ライダーW』において、主人公の一人であるフィリップ役を演じた菅田将暉さんは、間違いなく「仮面ライダー」出身俳優の中でも特筆すべき存在です。劇中では、脳内に「地球(ほし)の本棚」と呼ばれる図書館を有した謎多き魔少年で、仮面ライダーに変身する際には気を失ってしまうという、かなり異質な役どころを好演しました。
俳優デビュー作からいきなり個性的な役柄を演じた菅田さんですが、その後のキャリアにおいてもその経験が非常に活かされたキャリア形成となっています。

まずは2013年の映画『共喰い』で、暴力的な性癖を持つ父の血を受け継いでいることに葛藤する青年を演じ、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2016年の『溺れるナイフ』では一転して金髪に染め上げた自由で激しい青年像を体現しました。
以降も『あゝ荒野』(2017)ではボクサー役、『帝一の國』(2017)では野心家の高校生、テレビドラマ『ミステリと言う勿れ』では天然パーマの控えめな青年といったように、容姿を変幻自在に変えた、イメージにとらわれない幅広い役柄に挑戦。
さらに2019年の『アルキメデスの大戦』では数学の天才として説得力ある演技を魅せ、2020年の『花束みたいな恋をした』では本格的なラブストーリーにも挑み、一転してどこにでもいるような普通の青年らしさも発揮しました。

2021年の『キャラクター』では、ある殺人事件を目撃したことで人生が一変する漫画家を見事に演じ切るなど、役柄ごとに印象をガラリと変えるカメレオン俳優ぶりにはもはや脱帽。
歌手としても第一線で活躍しており、マルチな才能を遺憾なく発揮している存在と言えるでしょう
福士蒼汰(『仮面ライダーフォーゼ』如月弦太朗役)
爽やか笑顔の好青年:★★★★★
王道のスター街道:★★★★★
『仮面ライダーフォーゼ』に、リーゼントで短ランにボンタンという不良高校生の出で立ちで登場した福士蒼汰さん。そのあまりにもヒーローらしからぬ風貌から繰り出される爽やかな笑顔とのギャップが大変な魅力だった福士さんは、その後のキャリアにおいても、爽やか好青年というイメージを崩さずに健全な俳優人生を送っている印象です。
「仮面ライダー」卒業後、いきなりNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で鮮烈な印象を視聴者に与えると、2015年は映画『好きっていいなよ。』、『神さまの言うとおり』、『イン・ザ・ヒーロー』の3作品が好評を博し、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したほか、月9ドラマ『恋仲』にも主演するなど、まさに大ブレイクの一年となりました。
その後も『ストロボ・エッジ』(2015)、『無限の住人』(2017)、『曇天に笑う』(2018)、『BLEACH 死神代行篇』(2018)、『ザ・ファブル』(2019)、『カイジ ファイナルゲーム』(2020)といった主に漫画原作の映画で好演を見せ、同じく『仮面ライダーフォーゼ』出身の吉沢亮さんと共に、王道のスター俳優街道を歩んできました。
映画だけでなく2021年の『神様のカルテ』では医師役に、2023年の『弁護士ソドム』では弁護士役、『大奥』では時代劇にそれぞれ挑戦するなど、長く俳優として活躍するための土台作りにも余念がないように感じます。
2017年には『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』にて再び如月弦太朗役にカムバックするなど、自らが演じた役柄に誇りを持っているようにも感じ、純粋に演技を楽しめているところもあるのかもしれません。
佐野岳(『仮面ライダー鎧武』葛葉紘汰役)
身体能力:★★★★★
筋肉俳優:★★★★★
「仮面ライダー」シリーズの劇中において、印象的なアクションを魅せつけた俳優として思い浮かぶのは、やはり佐野岳さんでしょう。
『仮面ライダー鎧武』の主人公である葛葉紘汰役として、戦闘シーンにおける殺陣やパルクールのようなアクションを披露し、肉体派俳優の片鱗を存分に発揮した佐野さんですが、その後のキャリアにおいても、その身体能力を活かした俳優人生を送っています。
もともと『仮面ライダー鎧武』の時点から演技力に定評のあった佐野さんは、日曜劇場『下町ロケット』で一躍注目の存在となり、若手俳優として頭角を現します。その後、2017年には同じく日曜劇場の『陸王』にて長距離ランナー役を好演。
豊富なサッカー経験があることから脚力を活かした役柄を演じることが多く、映画『ふたつの昨日と僕の未来』(2018)でも長距離ランナー役を演じています。
その他、芸能界最強男子を決める『究極の男は誰だ!?最強スポーツ男子頂上決戦』の常連としても知られており、第1回大会では優勝しているという実績も!
2024年にはプロボクサーのライセンスも取得しており、まさに‘‘芸能界最強男子’’の称号をほしいままにしている印象です。
スポーツやアクションだけでなく、ダンスの才能にも恵まれており、今後はさらに活躍の場を広げそうな予感です。
竹内涼真(『仮面ライダードライブ』泊進ノ介役)
カリスマ性:★★★★★
飽くなき探求心:★★★★★
‘‘ミスター平成ライダー’’と称される高岩成二氏が、その振る舞いに対して、賛辞の言葉を送っている俳優がいます。『仮面ライダードライブ』にて主演を務めた竹内涼真さんis.
高岩さんいわく、竹内さんは撮影が休みの日でも現場に現れて、スーツアクターの動作を確認するなど、役作りを怠ることなく、次なる撮影に備えていたと言うのです。それほどまでの情熱と飽くなき探求心を兼ね備えた竹内さんですから、その俳優道にもそんな性格が現れているように感じずにはいられません。

『仮面ライダードライブ』放送終了後間もなく、日曜劇場『下町ロケット』で印象的な演技を魅せた竹内さんは、その後も連続テレビ小説『ひよっこ』、日曜劇場『陸王』、映画『帝一の國』といった話題作で順調にキャリアアップ。
2019年のハリウッド映画『名探偵ピカチュウ』では主人公ティム役の吹き替えを担当しているどころか、監督を務めるロブ・レターマンが来日時に惚れ込んでしまったことから、トレーナー役としてカメオ出演するという快挙も成し遂げており、そのカリスマ性は万国共通であることを見事に証明しました。
2020年には『テセウスの船』で日曜劇場初主演を飾るなど、人間ドラマにおけるシリアスな演技が高く評価されていきます。
2021年から始まった『君と世界が終わる日に』シリーズで人気を不動のものにした竹内さんは、2024年に人気ゲームの実写化である『龍が如く ~Beyond the Game~』に主演を果たしました。劇中では主人公の桐生一馬役として、圧倒的な存在感を放っており、俳優として一皮も二皮も剥けた印象を与えました。
犬飼貴丈(『仮面ライダービルド』桐生戦兎役)
コメディセンス:★★★★★
三枚目キャラ:★★★★★
常にクールでカッコいいイケメン俳優というイメージの強い仮面ライダー俳優ですが、こと『仮面ライダービルド』の主人公である桐生戦兎役を演じた犬飼貴丈さんは、少し様子が異なる印象を与えます。
同作で記憶喪失の天才物理学者という役どころを好演した犬飼さんは、劇中でどこか抜けた‘‘三枚目’’っぽい姿や表情を随所に見せることがありました。それは犬飼さんの高いコメディセンスがあってこそ繰り出せる要素でもあると思うのですが、その後の犬飼貴丈という俳優のキャリアにも非常に大きな影響を与えました。
特にテレビドラマ『24 JAPAN』、『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』、『伝説の頭 翔』、映画『ぐらんぶる』(2020)といった作品で魅せた演技がその最たる例で、両性具有のイケメンなのに、何かしらのウィークポイントがある…もしくは天然キャラのおバカキャラであったりといったような、三枚目要素を常に噛ませてくるのです。
インターネットで「犬飼貴丈」と検索すると、関連ワードとして「ヤバい」というものが出てくるなど、世間のイメージ的にもどこか面白キャラとして認知されているところがあるのかもしれません。
しかしながら、それも犬飼さんの最大の魅力であり、その卓越したコメディセンスは俳優として大きな武器でもあります。これからも、どこか三枚目キャラでい続けてくれることを切に願うばかりです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「仮面ライダー」シリーズ平成2期に出演した俳優たちは、それぞれが特別な傑出した才能を持っており、現在では芸能界を代表する存在となりつつあります。
彼らは、芸能界という入れ替わりの激しい世界で、長く生き残るための武器を有した数少ない俳優たち。その個性をしっかりと活かしたキャリア形成を行っている印象を大いに受けます。今後も息の長い活躍をし続けてほしいものです。
(執筆:zash)
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