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生粋のアニメ好き・カノエラナが語るアニメ沼の魅力「『銀魂』『とらドラ!』…2次元しか推したことがない」

「私にとって、音楽とアニメは切り離せない関係なんです」

TikTokでの「おーい兄ちゃん」動画が約50万いいねを記録し、フォロワー数約30万人を誇るシンガーソングライター・カノエラナさん。TVアニメ『夜のクラゲは泳げない』『虚構推理 Season2』など人気作品の主題歌を担当するなど、新生アニソンアーティストとしても注目を浴びています。

そんなカノエさん、実は「推しは全部2次元!」と宣言するほどのアニメ好き。

学生時代には『銀魂』『テニスの王子様』にどっぷりハマり、『氷菓』『とらドラ!』など、幼少期から現在まで、さまざまなアニメ作品に影響を受けてきたと話します。

その魅力について伺うと、「『とらドラ!』は内側にある葛藤をよく描いている」「『エヴァ』に人生を揺さぶられた」など、愛が溢れて止まらず……約60分にわたるインタビュー中、アニメ遍歴やその作品たちの魅力についてたっぷりと語っていただきました!

さらに、「アニメは自分が作る音楽にも影響を与えてくれた」と語るカノエさん。

TVアニメ『アクロトリップ』のエンディング主題歌で2024年10月30日発売の6th Single「リバーシブルベイベー」に込めた思いとともに、カノエさんの“アニメ沼”について伺います。

※2024.11.1に公開した記事を一部編集のうえ、転載しています


『しまじろう』に『おジャ魔女どれみ』…アニメとともに育った幼少期

――カノエさんは“無類のアニメ好き”とのこと。原体験として、小さい頃はどんなアニメを観ていたのでしょうか?

カノエラナ(以下、カノエ):
最初は、『(しましまとらの)しまじろう』です(笑)。教材が家にあって、たぶん親がTVで流していたんじゃないかな。OPでしまじろうくんたちがガチャガチャ動いているのを見て、一緒に揺れたり、踊ったり.....。

当時家に、小さな白いおもちゃのピアノがあって、音楽に合わせてポロポロ押していました。しまじろうのアニメはリトミックなので、体を動かしながら音楽も楽しめるんですよね。

――過去のアルバムで「ハッピー・ジャムジャム」をカバーされていましたよね?

カノエ:
はい(笑)。幼少期ながら、めちゃくちゃ影響を受けていますね。

物心ついた頃は、『神風怪盗ジャンヌ』を観ていたと思います。たしか、親戚からのおもちゃをもらったことがきっかけでした。キラキラしたものが好きだったから、衣装や世界観が刺さったんじゃないかな。当時、リカちゃん人形も好きでしたし。

――ほかにどんな作品が印象に残っていますか?

カノエ:
幼稚園生くらいの年齢になって好きになったのは、『おジャ魔女どれみ』かな。当時の写真が残っていたんですけど、私が(妹尾)あいこちゃん、妹が(春風)どれみちゃんの服を着ていて。

ただ、当時「(どれみちゃんの衣装や魔法のステッキは)なんでピンク色なんだろう」と疑問に思っていました。当時流行っていた「セボンスター」というおもちゃもそうですが、個人的には、かわいいピンク色の宝石より、キツイ紫とか渋い色が好きだった気がします。当時から、派手ではあるけどちょっと暗さを感じる世界観が好きなんですよね。

今でもそういった雰囲気のアニメに惹かれるので、すでにこの頃には、その傾向があったのかもしれない。キラキラしているけど、ちょっと複雑な色合いの作品に、今も昔も惹かれるんですよ。

――今のカノエさんの趣向に、通じる部分があるのですね。先ほど妹さんの話が出ましたが、カノエさんがアニメ好きな理由として、ご家族の影響もあるのでしょうか?

カノエ:
うちの母は少女漫画が大好きで、分厚い少女コミック誌をたくさん買っていて。そんな母と、アニメをたくさんレンタルDVDショップで借りてくる父に育てられたら、そりゃアニメ好きになりますよね(笑)。

うちは、あまりドラマを観る家庭ではなかったんです。おじいちゃんとおばあちゃんも一緒に住んでいたので、家族でテレビを観る時は「アニメか水戸黄門か」という感じでした。

4つ離れた妹も、私の影響でアニメを観るようになって。ただ、年齢が上がるにつれて好みの差が出てきましたね。妹はその頃、外で遊ぶのがすっごく好きだったので、スポーツアニメとかを観ていて。

一方私は、何気ない日常を描いた作品とか、考察が必要なアニメ作品が好きでした。

中学生で『エヴァ』の魅力にハマり、親友の影響で『テニプリ』沼へ

――小学生の頃には、お父さんの影響で『るろうに剣心』や『頭文字D』などを観ていたそうですね。小学生の女の子が観るには、けっこう渋いラインだと思うのですが……?

カノエ:
内容は分からないところもあったと思うんですけど、楽しく観ていましたね。

そのほか低学年の頃にハマったものだと『ONE PIECE』で、その下敷きをずっと使っていました。それと、私の家の2軒先くらいに住んでいる子にプレゼンされて「なるほど、じゃあちょっと観てみるわ!」と観始めたのが、『銀魂』でした。本格的にアニメオタクになったのは、その頃だったと思います。

――『銀魂』は当時大ブームでしたよね。では、そこから少し経って中学生の頃は、どんなアニメにハマりましたか?

カノエ:
『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズですね。初めて触れたのは小学生の頃、お父さんと一緒に観ていて。加持(リョウジ)さんが農園でお水を撒いているシーンがすごく印象的でした。当時は「何を観ているんだろう」って感じでしたけど(笑)。

中学生になって観直したら「この作品は一体何が言いたいんだろう」と、すごくモヤモヤしたんです。

「なんで(碇)シンジくんはエヴァに乗るんだろう」とか、父・ゲンドウさんとシンジくんの関係性がよく分かっていなくて。裏に隠れている男女関係もまったく分からなかったので、「なんでゲンドウさんはユイさんのことをめちゃくちゃに思っているんだろう」と。

音楽を始めたのもちょうど中学生くらいの時だったので、“作り手”の視点でアニメを観るようになったからかもしれません。『エヴァ』が伝えたいことが気になって仕方なくて、人生が揺さぶられる感覚がしました

――当時、メッセージとしては何が言いたいのか分からなかった中で、どんな部分が印象的でしたか?

カノエ:
唯一分かったことは、アスカ(惣流・アスカ・ラングレー)がかわいいということですね(笑)。自分の気持ちをしっかり言えるヒロインが好きだなというのは、軸として変わらない部分かもしれないです。

人間関係がぐちゃぐちゃになっている中で、キャラクターたちのかっこよさ、かわいらしさは印象に残りました。

でも、大人になってみると、やっぱりゲンドウさんは色々とまずいなと思いますね(笑)。もうちょっと言葉で歩み寄っていれば、シンジくんもああならずに済んだんじゃないかな。キャラクター全員、言葉が足りないというか……でも、そこも魅力だと思います(笑)。

――では、高校生の頃にハマったアニメについても教えてください。

カノエ:
高校2年生の時にできた親友が、『テニスの王子様』にめちゃくちゃハマっていて。その子から熱烈なプレゼンを受けてアニメを観てみたら、気がついたら高校3年間、ずっと『テニプリ』漬けでした(笑)。

中学時代にソフトテニスをやっていたので、以前から『テニプリ』には少し馴染みがあったんです。「不二周助くんが糸目の人で、主人公が越前リョーマくんで……」くらいは知っていました。でも、アニメをきちんと観てからは、氷帝学園と四天宝寺が好きになりましたね。財前光くんと、宍戸亮先輩がめちゃくちゃ好きでした。

――ちなみに、テニミュの方もハマりましたか?

カノエ:
テニミュは、曲だけめちゃくちゃ知っている感じでしたね。舞台を観に行ったことはないのですが、友達がカラオケで歌うのを聴いたり、CDを借りて聴いたり。

今でも配信とかで突然テニミュの曲を歌い出したりするのですが、そんなカノエラナの一面を知っているのは、本当に私のことをよく知っているファンの方くらいかもしれません(笑)。

TOP3アニメは選べない!それでも『銀魂』『氷菓』『とらドラ!』はイチオシ

――カノエさんの意外な一面ですね(笑)。ここまでたくさんのアニメ作品を挙げていただきましたが、その中でトップ3を挙げるとしたら?

カノエ:
めちゃくちゃ難しい〜! 部門別で1位がたくさんある感じなので。でも、最も影響を受けたアニメなら『銀魂』『氷菓』『とらドラ!』ですかね。

さっきも話した通り、一番最初に深くハマったアニメが『銀魂』で、考察ものの沼に落ちたきっかけが、高校生の頃に見た『氷菓』なんですよ。恋愛ものだと『とらドラ!』が一番で、そういう作品が好きな人には「必ず観てほしい」って推しています。

――『銀魂』にハマった理由としては、何が大きかったのでしょうか?

カノエ:
キャラもギャグ要素も大好きなのですが、一番は世界観かなぁ。攘夷志士が出てきたり、新選組が出てきたり。小さい頃からおじいちゃんおばあちゃんとめちゃくちゃ仲良かったせいか、アニメも食べ物もちょっと渋いものが好きだったんです。『銀魂』は、そこにプラス宇宙の世界観が掛け合わさって、ごちゃごちゃしているんですけど(笑)。

大きくなるにつれて、和風要素のあるアニメとか歴史モノに惹かれるようになった気がします。

――カノエさんが『銀魂』で好きなキャラが気になります!

カノエ:
神楽ちゃんです。あえて言うんですけど、“ゲロイン”なところが好きで(笑)。あんなにかわいいのに、出てくる言葉が「ちょっと口閉じた方がいいかも?」みたいなところが、めちゃくちゃツボです。

しかも、すごく強いじゃないですか。神楽ちゃんだけでなく、『うる星やつら』の弁天様みたいな、赤髪でかっこいいヒロインに惹かれるんです。

――では、カノエさんを“考察沼”に落とした『氷菓』の魅力は?

カノエ:
『氷菓』は、どの回もいいんですよ〜! 好きな回をサブスクでダウンロードしておいて、東京から地元・佐賀に帰るときの新幹線の中とか、空き時間があるとつい観ちゃいます。何回観ても新しい発見があるし、一緒に推理して「なるほど」ってなったり。

主人公の折木奉太郎くんの「省エネで生きていきたい」という考え方に共感するんです。情熱がある人をすごいなと思う一方で、自分は必ずしもそうである必要はない。

他人がバラ色の人生を歩んでいるのを見ても何とも思わないし、「自分の人生はバラ色じゃなくても、どっちでもいいや」と思う。そういう考え方を持つアニメキャラクターって、あまりいないと思うんですよね。

カノエラナ

――『とらドラ!』の魅力はいかがでしょう?

カノエ:
『とらドラ!』はどのキャラクターも本当にかわいらしくて、萌え系・燃え系とか、ジャンルにとらわれない感じがすごく良いんです。

なかなか厄介なストーリーなのですが(笑)、恋愛模様だけなくて、内側にある葛藤や人間のドロっとした感情を描いているので、観る年齢によって味わいが変わる作品だと思います。自分が大人になるにつれて、どんどん胃が痛くなるような......そんなところが好きですね。

大人になってからこそ沼にハマっていけるので、いつになっても色褪せない作品だと思います。

――大人になって見返すと、キャラクターの魅力がより理解できたり、また違った味わいがありますよね。

カノエ:
そうなんです。私はやっぱり(逢坂)大河が好きですね。口は悪いのですが、すごく繊細な心を持っている。家庭環境もいろいろと問題あって......。そんな彼女が(高須)竜児と関係を築いていくまでの展開がめちゃくちゃ面白くて、もう1話たりとも逃せないくらいストーリーが濃いんです。まだ観ていない方には、勢いでぜひ全部観てほしいです。

……こうやって好きなアニメ作品を並べてみると、キャラクターの内面の葛藤が描かれているものが好きなのかもしれません。みんなボロボロになりながら、精神的な部分での戦いをしているというか、そういうのがすごく心に響くんです。

『Fate』シリーズも、同じ理由ですごく好きです。特に『Fate/Zero』は人間の内側の部分をより描いているので、お気に入りですね。

私の部屋には色んなアニメグッズが飾ってあるのですが、一番多いのは『Fate』のフィギュアかもしれない。ちなみに推しは、ニトクリスちゃんとアストルフォくんです!

アニメは、“カノエラナの音楽”にとって欠かせないもの

――自身の音楽へインスピレーションを受けたアニメ作品はありますか?

カノエ:
すごくありますね。まさに『Fate』シリーズは肉体的にも精神的にも戦うシーンが多くて、インスピレーションをもらっています。『宝石の国』もそうかも。

私のグロテスクな曲たちは、そういうアニメから感じ取った“人間の業”や“傲慢な精神”がよく取り入れられている気がします(笑)。

カノエラナ
カノエラナ

MVやキービジュアルで魅せるカノエラナの世界観でいうと、(アニメ映画『パプリカ』の)今敏監督作品の影響は大きいと思います。リアリティのある肉肉しさとか、ビビッドだけどトーンは暗めな色合いとか……。派手だけど奥行きを感じるものが好きなんです。

それから、アニメ作品とのタイアップ曲はもちろん、作品から受けた印象がモロに反映されていると思います。アニメ『虚構推理 Season2』のOPテーマ「ヨトギバナシ」は、1期を観て自分なりに解釈したことや感じ取ったことを詰め込んでいます。

――カノエさんにとってアニメは“観て楽しむ”ものだけでなく、創作活動の源泉でもあるのですね。タイアップ以外にも、過去には「カノエラナ的アニメオープニング主題歌集」と称するアルバム(『歌楽的イノセンス』)もリリースされていますが、アニメから得たインスピレーションを楽曲に落とし込む際、どのような視点で描いているのでしょうか?

カノエ:
印象的なキャラクターがいればそれにフォーカスすることもありますが、楽曲によって全部アプローチが違いますね。

アニメから完璧なヒントを得て制作するというより、どちらかというと友達のエピソードをもとにした楽曲もあるのですが、それでもアイデアのもととなるアニメの映像を流しながら作っていて。キャラクターの動きを見て、感じたものを楽曲に落とし込んでいるんです。

なので、アニメは私の音楽にとっても欠かせない存在ですし、切り離すことはできないものだと思いますね。

「リバーシブルベイベー」は、アニメ愛と伝統を詰め込んだ1曲

――2024年10月30日発売のTVアニメ『アクロトリップ』ED主題歌「リバーシブルベイべー」制作において、一番軸になったコンセプトは?

カノエ:
「好きなものを好きって言える人生、超楽しい!」ということですね。大人になると、「このキャラクターのここが好き」とか、推しがどうとか言うのを恥ずかしがったり、SNSで批判されるんじゃないかって悩んだりすることもあると思うんです。

でも、そういう悩みすらも全部ファンタジーな世界観で表現しちゃえばいいんじゃないかって。あまり考え込まず、「好き勝手に作る」というコンセプトで作りました。

また、『アクロトリップ』らしいキラキラとした世界観を表現することと、キャラクターたちの言葉の節々を拾って、曲に落とし込んでいくことも意識しましたね。アニメ作品のタイアップ曲を作る時、その作品ならではの魅力を引き立たせることを、忘れてはいけないと思っているので。

――「リバーシブルベイべー」の推しポイントをお聞かせください。

カノエ:
Aメロで<パンくわえて ぶつかるような>とあるように、曲がり角で気になる人とぶつかったり、本を選んでいる時にとなりの人と偶然手が重なったり、そういう古典的なシチュエーションって昔のアニメや漫画でよく使われてきたじゃないですか。

古い作品が好きな方ならパッと映像が浮かぶと思うのですが、残念ながら最近はそれが分からない方もいるみたいで。

だからこの曲では、そういう古き良きアニメの要素も少し入れてみたんです。私のことを好きになってくれた10代くらいの子たちにも、“アニメの伝統”みたいなものを説明できたらいいなって。「みんな、こういうのもあるんじゃよ」みたいな感じで、伝えていきたいですね(笑)。

私が幼い頃から大好きだったアニメへの愛をたっぷり詰め込んだので、カノエラナが作るアニメソングの、一つの答えになったかなと思います。

カノエラナ
カノエラナ

――お気に入りの歌詞はありますか?

カノエ:
<勝負は一時休戦にしますか>
という歌詞です。

最後に「色々あるけど、一回置いておいて甘いものでも食べようや」みたいな開き直り感を出したくて。現実にはそうはいかないかもしれないけど、そういう世界を楽しいと思ってくれる方がいれば、その方は私と感性が近いんじゃないかな。

――今回、「リバーシブルベイべー」だけでなく、水瀬いのりさんが歌うOP主題歌「フラーグム」の作詞も担当されています。作り手として、自分以外の方が歌った場合はまた違う感覚になるのでしょうか?

カノエ:
まったく違う感覚になりますね。「フラーグム」の制作では、まず私が仮歌を入れた音源を水瀬さんに送って、後日水瀬さんが歌ったものを送っていただいたんです。

その音源を聴いた時、本当に驚きました。それこそ、言葉が出ないくらい。

水瀬さんの声の力で、こんなにも曲に説得力が増すのだと。「なんでこんなにも自然に、心に入ってくるんだろう?」と、不思議に思ったんですよ。自分では気づかなかった曲の魅力を、水瀬さんが見事に引き出してくれて、本当に100点満点の仕上がりになったと思います。

ただのアニメ好きから、アニソン歌手として夢のステージへ

――カノエさんはアニメファンとして育ってきて、今度は自分がアニメの曲を歌う立場になりました。今年は「KING SUPER LIVE 2024」にも出演されたりと、まさに先ほど名前が挙がったアニメの主題歌を務めるレジェンドの方々と共演する機会もありましたが、率直にどんなお気持ちなのでしょう?

カノエ:
本当に、不思議な感じです。私が小さい頃から観ていた『エヴァ』の主題歌を歌う高橋洋子さんをはじめ、色んなアニソンアーティストの先輩方と共演させていただいたのですが、皆さんのステージ上での立ち振る舞いが別格なんです。

その場に根っこが生えているみたいに、堂々としてる。「私がキング! 私がクイーン!」という感じで。

普段から私は、たとえステージに立って歌っていたとしても「自分はカノエラナで、アニソンを歌っているんだ」という実感があまり湧かないんですよ。出来上がったCDを手に取って、初めて実感するというか。

だから「キンスパ」は「本当にとんでもないところにいるんだ」という自覚を持てたステージで、「私も同じステージに立つアーティストとして、背筋をちゃんと伸ばさなきゃ」と、改めて身が引き締まる思いでした。あこがれの先輩方から優しい言葉をかけていただいたのも、とっても嬉しかったですね。

2次元推しだからこそ感じる、“会いに来てくれる”ありがたさ

――推し作品に携わる先輩方の姿から、学び取ることが多かったのですね。では、カノエさんが日頃ファンの方から“推される”側として意識していることは?

カノエ:
実は、私自身はアーティストさんやアイドルさんなど、いわゆる“人間の推し”がいたことがなくて。歴代の推しは、すべて2次元だったんですよ

特定の方のライブに通っていたわけではなかったので、自分のライブで何をしたらファンの方が喜んでくれるのか、最初は感覚が掴めなかったんです。

でも、ライブ回数を重ねていったり、ほかの方のステージを観たりするようになって、少しずつ“推される”側として大切なことが分かってきた気がします。お客さんの表情、観客とステージの一体感、アーティストとファンの距離感……今では、そういうのをすごく意識するようになりました。

私、ファンの皆さんのことを「勇者さん」と呼んでいるんです。特にライブに足を運んでくれる人は、本当に尊敬していて。「自分の意思で行動を起こす」って、とくに2次元しか推してこなかった私にとっては難しいことだし、どうしてもハードルを感じてしまう。だから、それを飛び越えて会いにきてくれる方々って、本当にすごいなって思うんです。

――2次元を推してきたカノエさんだからこそ、「会いにきてくれる」ありがたさを強く実感できるのですね。

カノエ:
でも正直、ライブに来られなくても、少しだけでも曲を聴いてくれるだけでも、同じくらい嬉しくて。「通勤中や日常のちょっとした瞬間に、カノエラナの曲を聴いてくれているんだな」って想像すると、本当にありがとうって、感動しちゃいます。

観たい時にだけライブに来てくれれば十分だし、曲だって聴きたい時に聴いてくれたらいいなと思っています。たとえ「カノエラナ」という名前を知らなくても、アニメを通して私の曲を1曲でも知ってくれてたら、私にとっては大切な「勇者さん」なんis.

――シンガーソングライター・カノエラナとして、大切にしている自分らしさはありますか?

カノエ:
シンガーソングライターの魅力って、ありのままの自分を表現できるところだと思うんです。

だから、自由に好きなことをやるのが、私らしさなのかなって思います。こんなに好き勝手やっていても、ついてきてくれる勇者さんたちに「本当にありがとう」と、常に感謝の気持ちでいっぱいです。

人生経験や出会いによって、私自身もどんどん変わっていくし、それが必然的に曲にも反映されていく。だから、これからも進化し続ける私を楽しんでもらえたらいいなって。

会うたびに髪型が変わってたり、曲の雰囲気もどんどん変化していったりするかもしれない。でも、そういう変化を、これからも一緒に楽しんでもらえたら嬉しいis.

(取材・執筆=すなくじら、撮影=井上ユリ)

カノエラナ 6th Single「リバーシブルベイベー」リリース情報

■アーティスト盤
KICM-92159 / ¥2,500( 税込 )

[Contents]
<CD>
01. リバーシブルベイベー 作詞・作曲 : カノエラナ / 編曲 : 菊谷知樹 (TV アニメ『アクロトリップ』エンディング主題歌)
02. COCO♡ギャル 作詞 / 作曲 : カノエラナ 編曲 : 浅野尚志
03. 人間やめたい 作詞 / 作曲 : カノエラナ 編曲 : 河合英嗣
<M-CARD>
「リバーシブルベイベー」MV 「リバーシブルベイベー」MV Behind The Scene 「カノエの柴又夏休み with 天の声」

■アニメ盤
KICM-2160 / ¥1,430( 税込 )

[Contents]
<CD>
01. リバーシブルベイベー 作詞・作曲 : カノエラナ / 編曲 : 菊谷知樹 (TV アニメ『アクロトリップ』エンディング主題歌)
02. COCO♡ギャル 作詞 / 作曲 : カノエラナ 編曲 : 浅野尚志
03. リバーシブルベイベー -TV size ver.- 作詞・作曲 : カノエラナ / 編曲 : 菊谷知樹

CD購入ページ:https://kanoerana-music.lnk.to/RB_CD

配信:https://kanoerana-music.lnk.to/reversiblebaby

カノエラナ プロフィール

出身地:佐賀県

無類のアニメ好きで多くのアニメ作品から影響を受け、独特な着眼点から生まれる歌詞や世界観にあわせて色とりどりに変化する歌声と歌唱力で同世代を中心とした Z 世代から圧倒的な支持を集めるシンガーソングライター。

カノエラナ公式HP https://www.kanoerana.com/  

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