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握手会やライブ…推しに会うと“記憶喪失”になる理由は?【オタクの“あるある”を心理学で解説 #7】

偏愛カルチャーWEBマガジンとして、さまざまなコンテンツの魅力を届けているnuman。この度、オタクが推し活の中でなんとなく感じている“心の不思議”を紐解く新連載、「オタクの心理学~オタクの“あるある”を解き明かす~」をスタートします。

「なぜ推しに惹かれるのか?」「この感情の正体は何なのか?」――そんなオタクの心の内を、臨床心理士・公認心理師である二宮有輝先生の視点で紐解いていく本連載。今回は、推しに会うと“記憶喪失”になる理由について聞きました。

自分でも気づかなかった感情の正体や心の仕組みを知ることで、毎日の推し活がさらに楽しく、味わい深いものになるはず!

<プロフィール>
二宮有輝(にのみや・ゆうき)
臨床心理士・公認心理師/名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 講師。学生相談や公立中学校の常勤スクールカウンセラーでの勤務を経て現職。主に青年期の精神的健康およびwell-beingに関わる諸現象などについて研究を行っている。

推しの前で起こる“記憶喪失”は、「符号化」のエラーが原因だった

――ライブや握手会で推しを目の前にしたとき、「興奮しすぎて何を話したのか覚えていない」「何の曲を歌っていたのか忘れた」などといった“記憶喪失”のような現象が起こります。これに関して、心理学的にはどのようなメカニズムが働いていると考えられますか?

二宮有輝(以下、二宮):
人間の記憶のメカニズムとして、見たり聞いたりした情報を脳が処理しやすいかたちに変換して取り込む「符号化」という段階があります。この符号化がきちんと行われ、整理された状態で保持されて初めて、後から思い出すことができるのです。

ただ、推しを目の前にして極度の興奮や緊張状態にあると、意識が感情の方に向きすぎてしまうのかもしれません。そうなると、強い感情を抱いた記憶自体は残っていても、それに圧倒されて「何を話したか」「どの曲を歌っていたか」といった具体的な情報が十分に整理されず、まるで記憶喪失のような状態になるのだと考えられます。

――符号化が追いつかなくなる状態は、怒りなどのネガティブな感情でも起こるのでしょうか?

二宮:
そうですね。推し活に限った話ではないのですが、激しい怒りが湧いたときや悲惨な事件を目にしたときにも起こり得ます。

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