
ドラマ『伝説の頭 翔』を特撮オタクが見たら、高橋文哉らの成長とギャップに感動した…。駒木根葵汰や簡秀吉らの古参に嬉しいポイントはここ!
テレビ朝日系列「金曜ナイトドラマ」枠で絶賛放送中のドラマ『伝説の頭 翔』。2000年代初期に人気を博したヤンキー漫画が「令和」の時代に実写版となって登場しました。
不良たちの頂点に立つカリスマヤンキーといじめられっ子の青年が、ひょんなことから入れ替わって生活することに! 様々な抗争など、王道のヤンキー作品らしい展開と随所に織り交ぜられるコミカルな描写が面白い作品となっている本作ですが、実は特撮作品と所縁のあるキャストが数多く出演していることをご存じでしょうか?
今回は、ヤンキードラマ『伝説の頭 翔』に出演する特撮出身キャストにフォーカスします。

※2024.08.30に公開した記事を一部編集のうえ、転載しています
高橋文哉は『ゼロワン』時代からコミカルな演技に高評価
まずは何と言っても主人公であるヤンキー界の伝説の頭・伊集院翔とうだつの上がらないいじめられっ子・山田達人の二役に挑戦する高橋文哉さん。
現在最も勢いのある若手俳優の一人として映画にドラマに引っ張りだこの高橋さんですが、彼にとっての俳優デビュー作となったのが、2019年から2020年に放送された『仮面ライダーゼロワン』。主人公・飛電或人役を好演し、シリーズ史上初めての21世紀生まれの主演俳優として見事に仕事を全うしました。

そんな高橋さんが、『伝説の頭 翔』で演じるのは、カリスマヤンキーといじめられっ子という両極端な二役。伊集院翔の時はカリスマ性たっぷりに、山田達人を演じる時には情けない、なよなよした青年を演じ分けているのです。思えば『仮面ライダーゼロワン』時代から、回を重ねるごとに演技が成長し、上達していった印象のある高橋さん。そういった意味でも演技の才能に恵まれており、演じられる役柄の振れ幅がスゴイ!
もともとコメディの才能があり、おっちょこちょいなキャラクターを演じさせたらピカイチだったのですが、今回は同時に堂々としたオーラを纏った“伝説の頭”というキャラクターも演じなければならない。翔と達人は全くの別人で、相当な役作りをこなさなければ、ここまでの演じ分けはできないと思われます。
筆者の個人的な感想としては、カリスマ性の“出し入れ”をしているように見え、ちょっとした表情の変化や仕草の違いから、カリスマ性を出したり消したりができる高等技術を会得しているような印象を受けます。
筆者は高橋さんの演技を『仮面ライダーゼロワン』以来、約4年ぶりに見ました。まだまだ一端の若手俳優だった当時からあまりにも成長しすぎている彼の演技を見て、これからの活躍が楽しみなのと同時に、末恐ろしさすら感じるほどの衝撃を受けてしまいました。
まるで『ゼロワン』コンビ・井桁弘恵が時を経て結ばれたよう!?
高橋さんと同じく『仮面ライダーゼロワン』に出演していたキャストは他にもいます。
伊集院翔率いる「グランドクロス」の幹部メンバーである桜井亮太役を演じる中川大輔さん。彼は『仮面ライダーゼロワン』で敵組織である「滅亡迅雷.net」の幹部である迅役を演じていたのですが、正直なところ、あまりにも当時とのギャップがありすぎて、桜井亮太役が中川さんと気づくのに時間がかかってしまいました。
『仮面ライダーゼロワン』時代の中川さんは純粋無垢な性格の飄々としたキャラクターを演じ、人間らしさと人間味の無さを混在させた演技を魅せていたのですが、本作で演じるのは、男臭いマッチョな役どころ。
仲間思いの一面がある反面、好いた女性には片っ端からフラれ続けているという何ともコミカルなキャラ設定。スラッとしたスタイリッシュなイメージだっただけに、常に袖をまくり上げたマッチョキャラとのギャップには大変驚かされました。
さらに女性陣にも同じく『仮面ライダーゼロワン』出身キャストがいます。伊集院翔のガールフレンドで「レディース紅」の総長を務める綾小路直子役の井桁弘恵さん。『仮面ライダーゼロワン』では刃唯阿役としてシリーズ史上初めての女性ライダーレギュラーを務めていましたが、今回はレディースの総長と言う何とも衝撃的な役どころ。
男勝りで喧嘩っ早い反面、翔の前では甘えた姿を見せるなど、一筋縄ではいかないキャラクターを好演しています。ゼロワンファンとしては、当時、そこまで親密な関係性ではなかった或人と唯阿が、時を経て恋人同士を演じていることを、なぜか受け入れられない自分もいます(笑)。
『仮面ライダー』簡秀吉、田中偉登らの変貌にも驚かされた
また、ゼロワンキャストの他にも「仮面ライダー」出身俳優が登場。最も記憶に新しいところでは、「令和ライダー」4作目にあたる『仮面ライダーギーツ』で主演を務めた簡秀吉さんが、「グランドクロス」の幹部メンバーである亀井礼音役で出演しています。
『仮面ライダーギーツ』で演じた浮世英寿はどこか陰のある一匹狼で、胸に大きなものを秘めた役どころでしたが、今回の簡さんはデコ出しのヘアスタイルで、仲間思いな一面も見せる頼りになる男。見るからに喧嘩の強そうな風貌は、クールな英寿さまの時とは一線を画す印象を与えます。
また「グランドクロス」の特攻隊長・黒田剛志役に扮する田中偉登さんも、その昔、仮面ライダーに変身した過去を持ちます。2014年公開の映画『劇場版仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯』にて、謎の少年・ラピス役を演じ、仮面ライダー冠に変身しています。
当時はまだまだ幼い顔つきでしたが、約10年の時を経て、ものすごいイケメンへと成長している姿を見てビックリ! 実に静かな演技を披露しており、俳優としての成長も大いに感じさせます。
駒木根葵汰、志田こはく『ドンブラザーズ』の二人も演技力を発揮!
彼らのように「仮面ライダー」出身俳優が多数出演している『伝説の頭 翔』ですが、ライダー俳優だけでなく、「スーパー戦隊」で印象を残したキャストも中には存在します。
それが『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の二人! 「グランドクロス」幹部メンバーの一人である丸川敦役の駒木根葵汰さんとアイドルグループ「古くさい街角のスケ番ズ(通称:街スケ)」メンバーの一人シッホー役の志田こはくさん。
駒木根さんはどちらかというと『機界戦隊ゼンカイジャー』の印象が強いかもしれません。彼は「スーパー戦隊シリーズ」において、かなりの異例の2年連続でレギュラー出演を果たすという快挙を成し遂げた俳優なんです。
『機界戦隊ゼンカイジャー』の時には明るい性格の五色田介人を演じ、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ではクールで謎置き喫茶店のマスター役を演じました。当時から演技の振れ幅に定評のあった駒木根さんですが、『伝説の頭 翔』では金髪にサングラスをかけた“いかにも”な風貌で登場。
その反面、非常に優しい性格の持ち主で、詐欺被害に遭うお年寄りを救ったりと、まるでヒーローのような一面も見せます。ヤンキーオタクな一面も持ち合わせており、これまでの王道ヤンキー作品では観ることがなかったキャラクター性を発揮しているのではないでしょうか。
「街スケ」メンバーの一人である志田さんは、「街スケ」メンバーとして、そこまで出番が多いわけではありませんが、時折、見せる表情豊かな演技は『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』時代から変わらず見事なもの。
当時はそのコミカルな顔芸が大きな話題を呼び、戦隊ヒロインの中でも指折りの人気を誇った志田さん。今後、本作でも顔芸を披露してくれるのかにも注目です。
犬飼貴丈、池田匡志らゲスト俳優も特撮ファンに嬉しい!
レギュラーキャストだけでなく、ゲスト俳優たちにも特撮出身の俳優が登場してくるのも大きな魅力。
第1話の悪役である金山大房を演じたのは、『仮面ライダービルド』の犬飼貴丈さん。見事なまでのやられっぷりを魅せてくれる辺りは、イケメンでありながら、どこか三枚目的なキャラクターを演じさせたらピカイチの犬飼さんらしい演技だったと思います。犬飼さんの個性派俳優としての可能性を大いに感じさせられました。
また、第2話の悪役には『王様戦隊キングオージャー』ジェラミー・ブラシエリこと池田匡志さん、第4話の悪役には『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』ルパンブルーこと濱正悟さん、第5話にてお年寄りばかりを狙った詐欺を繰り返す大学生に扮しているのは、『ウルトラマントリガー』のマナカ ケンゴこと寺坂頼我さんなどなど、挙げたらキリがないほどに特撮出身俳優が次から次へと登場します。
それに、かつてヒーローだった俳優が、毎度のごとく悪役で登場するというのも、なんだか乙な感じで、これも一種のキャスティングの妙だなと感じさせられました。
特撮に所縁のあるキャストが多数登場する『伝説の頭 翔』。原作漫画とは少し異なる部分も多いようですが、筆者のような特撮ファンであれば、思わず身を乗り出して視聴してしまうこと請け合いです。今後もさらなる特撮俳優の登場に期待せずにはいられません。
(執筆:zash)
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