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オタク女子が『劇場版 忍たま』を見て「好きって最強なんだ」という感情を思い出した話。初めての“推し活”は宝物のような日々だった

子どもの頃から慣れ親しんでいるアニメやマンガに、大人になってもういちど触れてみると、当時とは違った受け取り方ができたり、視点を変えて楽しむことができたりしますよね。私にとって「忍たま乱太郎」はそんな作品のひとつでした。
 
昨年の12月20日に全国公開され、6月25日にはBlu-ray&DVDが発売される「忍たま乱太郎」通算3作目となる劇場アニメーション作品「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」。

幼い頃から「勇気100%」を口ずさみ、高校時代に”オタク”としてハマった私が大人になって観る忍たま……それがこの作品でした。

鑑賞前から「これを観てしまったら沼に戻ってしまう」「またあの頃みたいに忍たまたちに夢中になってしまう」という予想が的中し、すっかり虜に。またも忍者のたまごたちが育む絆と友情に心を奪われてしまったのでした。

仲間同士の信頼にキュン…。なにわ男子の主題歌の歌詞もリンクする


本作のあらすじをざっくりと説明します。忍のたまご、略して忍たまたちが日々学ぶ忍術学園で1年は組の良い子たちを教える教師・土井先生が、ある日学園を出ていったきり行方不明に。

心配した学園長は学園の最上級生である6年生に偵察と捜索を命じます。懸命な聞き込みの末、見つけた土井先生はあろうことか6年生に斬りかかり、「土井など知らぬ」と自分自身のことを忘れてしまっていました。

「劇場版忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」ビジュアル

白い装束を身にまとい、ふたたび闇へ消えていった土井先生。はたして上級生たちは、1年は組は、土井先生を取り戻せるのか――。
キレキレのアクションと、絆、友情、思慕、信頼。”忍たまファン”が見たかったものすべてが詰まった、大人も子どもも楽しめる傑作となっています。
 
本作の見どころは語りきれないほどあるのですが、なんといっても普段NHKで放送されている10分アニメではなかなか描かれない上級生たちの「本気の姿」、すなわち「忍をしている姿」が綿密かつ丁寧に描かれていることによって感じる、彼らが培ってきた「仲間としての信頼」や「忍としての信念」に胸がキュンとしてしまうところは欠かせないです。
 
「いつでも近くに 誰かがいてくれる道」
 
映画の主題歌となっている、なにわ男子が歌う「ありがとう心から」のワンフレーズは、まさに後輩である1年生のために戦いに身を投じ、同級生や同室の仲間に対し時には背中を預け、時には喝を入れてもらい、お互いにまっすぐ信じあう彼らの姿を表しているなと感じます。 

仲間たちと切磋琢磨しあい、時を共にする――そんな彼らを見て、私はふと高校時代を思い出しました。
むろん、私たちは彼らのように命を賭して生きているわけではありませんでしたが、同じ熱を抱き、同じ「好き」という感情を共有して、友としてオタクとしてかけがえのない日々を過ごしていたなと思い返したのです。


初めての“推し”。「好き」を表現できる宝物のような日々だった


今や放送されたシーズンは30を超えるなか、ちょうど通算17期を迎えようとしていた頃。友達から忍たまの魅力を語られた私は、幼少期以来に改めてアニメを視聴し、結果ドハマりしてしまい、毎日のようにアニメの新エピソードを楽しみにしていました。
 
なかでも上級生が好きだった私が楽しみにしていたエピソードは、「予算会議の段」。各委員会が6年い組の潮江文次郎を委員長とする会計委員会に予算を計上し、応か否かのバトルを繰り広げる回です。上級生だけでなく下級生も総出で登場、それぞれのキャラクターらしさが存分に発揮される回でもあり、ファンからも人気の高いエピソードなだけあって、私も当時リアルタイムで正座しながら見ていました。
 

DVD TVアニメ「忍たま乱太郎」せれくしょん『予算会議と委員会対抗との段』
(フロンティアワークス)


はじめて「推し」ができ、「推し」のかわいさ、かっこよさについて語り合った時間。
忍たま同士の関係性や絆の深さにハマり、勉強そっちのけで長文考察を交わしたテスト前。
塾や模試の帰りに「今日も行っちゃう?!」と顔を見合わせ、アニメイトに行き推し学年のグッズをお小遣いで買い、大事にボードに貼って眺めていた日々。
交換絵日記でお互いの「推し」を描き、もっと絵が上手くなりたい!と向上心に燃えていたあの頃。
 
すべてがまさに宝物のような日々で、私がオタクとして今、こうして好きなものの話をして、「好き」を表現し、仲間と楽しく過ごす人生を送っている礎ともいえるような思い出でした。


「やっぱり“好き”って最強なんだ」と思い出させてくれた


大人になって「軍師」を観て、また彼らに会えた。子どもから大人へ、大人から子どもへの”忍たるもの”の心得、精神、本当の強さの継承。優しさとは、の問いかけ。そしてそれを同じ背丈で、隣に立って対等に学んでいく忍のたまごと、かつて己もたまごであった立場として見守る大人たち。

「劇場版忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」ビジュアル

 
今、こうして大人の目線に立つことができるようになったからこそ見えてくる大切なメッセージに胸を打たれながら、青春を思い出すきっかけも与えてくれて、やっぱり「好き」って最強なんだ、と改めてこの仕事をする意義を感じさせてくれた「忍たま」が、私はずっと大好きです。
 
そして、ついに25日には待ち望んだ「劇場版忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」Blu-ray&DVD発売。ぜひご家族で、友達と、オタク仲間と、好きなシーンやキャラを語り合いながら思う存分楽しんでください。忍者はガッツじゃ!
 
 (執筆:安藤エヌ)
 

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