
オタクが独断で選ぶ【2024年ベスト2.5次元俳優】5選!おもしれー俳優 加藤将が最高すぎた。岡宮来夢の表現力には雄叫びを上げてしまった…
あっという間に来てしまった2024年、師走。今年も2.5次元作品が豊作でしたね。
本記事では今年に公演があった舞台を振り返りつつ、ライターが超独断と偏見で決める、個人的「2024年 脳裏に焼き付いて離れない俳優達」を一挙ご紹介します!

2024年はミュージカル「刀剣乱舞」、舞台『刀剣乱舞』やミュージカル「忍たま乱太郎」など2.5次元作品の最大手から、ミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」、超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボなど、異色のニューカマー作品が登場しました。
これらの数多の作品の中から注目俳優さんを選ぶというのは非常に難しく、心苦しく、「本当にこれでいいのか⋯?」と何度も自問自答しつつ、ようやく内容がまとまりました。
あくまで個人的な感想となってしまいますが、少しでも演目や俳優さんに興味を持って、劇場に足を運ぶきっかけとなっていただけたら幸いです。
※2024.12.30に公開した記事を一部編集のうえ、転載しています
的確な音程に驚愕。見せ場で惹きつける木原瑠生さん
約8年ぶりの公演となった「ROCK MUSICAL BLEACH」。根強い人気のある作品だけに、出演陣や制作陣のプレッシャーは計り知れません。加えて主人公の黒崎一護役となると、その重圧も何倍にもなってくるのではないでしょうか。そんな重圧をものともせず、一護を見事に演じきったのが木原瑠生さんでした。
表現力、体幹どれをとっても素晴らしかったのですが、一番魅了されたのは木原さんの歌声。声にハリがあって、ビタッと的確に音程を当ててくるため聞き心地が良く、一護としての立ち回りもピカイチ! 来年の続編公演も楽しみです。
そのままの流れでミュージカル『刀剣乱舞』 祝玖寿 乱舞音曲祭を観劇。ここでも新たな木原さんの一面を目撃することに。
例えば『イグニッション』の後半箇所でへし切長谷部がロングトーンを維持する箇所と、半音上げる箇所があります。あれだけ動きながら歌っているのに、音と息がブレず、きっちり観客を惹きつける見せ場をつくっていたのがとにかくすごい!
これはもう、ご本人のオリジナル楽曲も聴かなくては!という気持ちが強くなったので、来年開催予定の木原さんのワンマンライブへ行こうと心に決めました。
ハジケすぎだよ!「おもしれー俳優」加藤将さん
今年のはじめ、獣愛ブースト音楽劇『Lamento -BEYOND THE VOID-』を観劇し、強くてしなやかで美しいライを演じる加藤将さんを拝見していたんです。その端正な容姿の中に、熱い芝居魂を持つ加藤さん。
年々、殺陣にも磨きがかかり、この先も引く手数多だろうな、と想像に難くはありませんでした。しかし。その約半年後、一体誰が鼻毛真拳の使い手になると予想ができたでしょうか。
冒頭で少しお話をした、色々な意味でザワつかせてくれた舞台、超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ(以下、ボボステ)。SNSでは「主演は誰がやるんだ!?」と制作発表当初から様々なキャスト案が飛び交っていました。そんな中、加藤さんが主演だと発表された時、驚きもありましたが同時にストンと腑に落ちるものもありました。
たしかに、適任すぎる。おもしれー俳優、加藤将。
そうしてシアター1010へ向かい、いざボボステを観劇!⋯となったわけなのですが、おかしい。記憶がほぼありません。というよりも気づいたら本編が終わっていました。没入感と放心と困惑が一気に押し寄せて、熱が出そうでした。 何が言いたいのかというと、前後不覚に没入するくらい、ボボステ、最高でした!
なお、年明けには現在開幕中のシンる・ひま オリジナ・る ミュージカ・る 革命「もえ・る剣」を観劇予定なので、加藤さんの演技の差に風邪を引きそうです(笑)。
圧巻の表現力。天性の才能がどんどん開花…岡宮来夢さん
日本だけではなく、『ATTACK on TITAN: The Musical』としてニューヨーク公演も大成功させた「進撃の巨人」-The Musical-(以下、進撃ミュ)。本作はまだ絶賛公演中のため、内容の詳細言及は避けるようにしますが、岡宮さんのエレン、日本凱旋公演でさらにパワーアップしています!
2023年の初演では、開演20分前後のエレンと母親の別れのシーンですでに泣いてしまいました。切羽詰まったエレンの葛藤はあまりにも辛くて、辛くて⋯⋯、全てを持っていかれたのを鮮明に覚えています。時は経ち、2024年。今作でもやっぱり同じシーンで泣きました。
今回、演出やダンスの振付、会話の間合いなど、いくつかの変更が加わっていて、新鮮な心地で観劇することができました。中でもエレンのセリフの表現方法というか⋯言葉の重みに変化が加わっていたように感じます。
例えば、憎き巨人と再会を果たす「5年ぶりだな⋯」のシーンでは、表現方法が明らかに初演と異なっていたんです。ここのシーンはもう、内心で雄叫びを上げていました(笑)。
そして忘れてはいけないのが、岡宮さんといえば歌唱力。喉が強く音域も広い方なので、本作では見ている側の生命力を呼び覚ますような歌唱を余すことなく披露されており、観客は聞き入るほかありません。
グランドミュージカル作品も数多く経験され、天性の才がどんどん開花していく岡宮さん。これから先も決して目が離せない⋯!
松田 凌さんの「とっさの判断力」に俳優人生の軌跡を垣間見た
「メサイア」シリーズからいくつもの作品を拝見している筆者。カンパニーにおいて“安心・安定感”といえばまさにこの方、松田凌さん。今回、ぜひ皆さんに聞いていただきたい事があり、お名前を出させていただきました。
前述の続きとなってしまうのですが、進撃ミュにてリヴァイ役を演じられている松田さん。撮影OKの『Now or Never!』の披露中のある出来事が、先日、SNS上で話題になりました。
舞台は生(なま)ものなので、予測不可能がことが起きてしまうのは必至。どんなに気をつけていても、起きるときには起きてしまいます。稽古場でも、何かあったときの対処法をあらかじめ擦り合わせておくことも少なくはありません。
今回ダンスパフォーマンス中にマントの留め具が外れてしまったリヴァイ。なんと楽曲終了数秒前に、まるで翼が生えたかのようにくるりと舞ってマントを取り払ってしまったのです。
タイミング、角度、スピードすべてが完璧でした。とっさの機転、判断、やりきってしまう力量⋯これまで培ってきたものが確かだからこそ、あの一瞬に、あのドラマが生まれたのではないでしょうか。その背景を思うと、「わーすごい!かっこいい!」のような短慮な言葉で片付けるなんてことは到底できず、ジーンと胸に広がるものがありました。
舞台上でのこういった事態をわざわざ記事に取り上げるのは⋯とも考えたのですが、あの一瞬のシーンに松田さんの役者人生の様々なものが詰まっていると感じ、書かせていただきました。
余談ですが、ストレート舞台で松田さんの軌跡をたっぷり感じた作品を上げるとするなら、板尾創路さんとのW主演舞台『聖なる怪物』(2023年)かな、と。
この作品で“無垢って実は怖い”という、知り得なかった感覚を味あわせていただきました。松田さんが演じた町月の無限の純粋さは、いつのまにか精神を蝕み、今でもたまに思い返すほど脳裏に焼き付いています。
梅津 瑞樹さんの「エチュード」の進化が止まらない!
末満健一さん作・演出の大人気シリーズ「TRUMP」。今年は新たな試みとしてTVアニメ化もされ、ファンの皆さんには供給の多い一年だったかと思います。
シリーズ全体の特徴としては、吸血鬼たちの崇高な生き様や、策略と欲望に満ちた人間関係が、緻密に設定された伏線の上で描かれるところにあるのではないでしょうか。
そんなシリーズ最新作となったのが舞台「マリオネットホテル」。これまでと違い、推理要素が多く、TRUMP初心者でも入門しやすい内容でした。
梅津さんが演じられたエゴ・ヴェラキッカという役は“シャルロッテ”というマリオネット人形を抱く、クセ強キャラ。当初は「ネタキャラかな⋯?」と感じていましたが、主人公のダリ・デリコ(役:染谷 俊之さん)がなんとも厄介な性格をしているため、合間合間にツッコミをせざるを得なえなくなっているところがとても面白かったです。
『言式』の作り方からも感じられるのですが、芝居への想いは人一倍熱いものを秘めてらっしゃる梅津さん。
それゆえに「マリオネットホテル」の日替わりネタではどんどん身を開放し、良い意味で突き抜けていってらっしゃったので、「進化が止まらない俳優さんだな〜!」と(勝手に)大感動しておりました。個人的に、末満さんが当初描いていた「エゴ」から、梅津さんと一緒に作り上げた「エゴ」は、一体どれだけ変わったのかというのがとても知りたい。
そんな梅津さんは年明け2月には舞台『刀剣乱舞』十口伝 あまねく刻の遥かへにご出演予定。こちらでも絶対に新しい何かを必ず届けてくださると確信しているので、今から観劇が楽しみでなりません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
来年2025年は先程の舞台『刀剣乱舞』のほか、MANKAI STAGE「A3!」ACT3!、劇団「ハイキュー!!」、『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』など有名タイトルが目白押し。引き続き2.5次元作品、そしてご主演俳優さんたちを全力で応援し続けていきたいと思います!
(執筆:NASU)
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