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「推し活がつらい」と感じたら…健全に楽しむための“客観視”と適度な距離感とは【推しへの“愛”を心理学で解説 #6】

偏愛カルチャーWEBマガジンとして、さまざまなコンテンツの魅力を届けているnuman。本連載「オタクの心理学~推しを愛する心の裏側~」では、オタクが推し活の中でなんとなく感じている“心の不思議”を紐解きます。

危険な行動を取ってしまう心理や、推し疲れと消費の心理――そんなオタクの心の内を、オタク文化を網羅的に分析した書籍『オタク・スペクトラム : オタクの心理学的研究』の著者であり臨床心理士・公認心理師の山﨑尚彦先生のご知見を交えて紐解いていく本連載。今回は、「健全に推し活を楽しむための心構え」について聞きました。

自分でも気付けなかった感情の正体や心の仕組みを知ることで、自身の推しへの向き合い方や、推し活をするうえでの注意点についてより深く理解できるはず!

<プロフィール>
山﨑尚彦(やまざき・なおひこ)
臨床心理士・公認心理師として、精神科臨床や学生相談など、主に医療・教育分野の臨床に携わる。帝京大学医学部付属病院脳神経内科にて高次脳機能障害の研究に従事し、東京藝術大学・関東学院大学などで非常勤講師も務めつつ、筑波大学大学院人間総合科学研究科ヒューマン・ケア科学専攻3年制博士課程を修了。

■『オタク・スペクトラム : オタクの心理学的研究』
(山﨑尚彦/福村出版)

定量的データと膨大なコンテンツ紹介でオタク文化を網羅的に分析する。心理臨床支援にも役立つオタク論。■公式HP

自分の状態を客観的に認識することが、“推し疲れ”脱却への第一歩

――SNSでほかのファンと熱量を比較して「推し疲れ」を感じてしまう人もいます。健やかに推し活を続けるためには、どのような心の持ち方をすると良いでしょうか?

山﨑尚彦(以下、山﨑):
まず、「教科書的な正解」と「それを実際に実行できるか」という問題は分けて考える必要があります。

教科書的な理想論で言えば、自分の今の状態や行動を客観的に認識することが解決への第一歩になります。過度なセレブリティ崇拝には、実際には人を幸せにしにくいさまざまな要素が深く関連しているというのが統計的な事実です。まずは、そうした現実に気づくことが重要です。

例えば前回までにお話ししたように、自分の推し活が純粋な愛情だけでなく、自己愛や他者からの承認、あるいはアイデンティティや集団への所属感などを得るための道具にもなっている可能性に気づくことです。

そうした要素を心のよりどころにしていると、自分より熱量の高いファンが現れたとき、自分の価値や「自分らしさ」を見失ってしまいます。そして、その不足感を埋めようとするあまり、より過剰な行動へとエスカレートしてしまう……。まずは、そうした状態に陥っている可能性に目を向けることが大切だと考えています。

――その上で、どういった心構えが必要でしょうか?

山﨑:
大切な心構えとしては、推しとの関係は「お互いに相手の人格を認め合っている相互的な関係ではない」という現実に目を向けることです。

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